安室は気が付けば彼女の両肩を掴んでいた。
「…赤井秀一が死んだのは本当か!?」
口にした瞬間我に返り、感情のままに問い詰めた事を後悔した。覗き込んだ顏は安室の知っているものとは程遠く、青白く生気を感じない姿。
そして、赤井の名前を聞いた途端、そのガラス玉のような瞳が大きく揺れる。
「どうして、あなたが知ってるの…?」
なぜなんだ。動揺する彼女の姿に、少なからずショックを受けている自分に気付き、安室は戸惑う。
自分が彼女をそう仕向けた、そのはずなのに。どうして…
数秒の沈黙の後。ありすはごめんなさい。と呟くと、安室を振り切り建物へと入って行った。
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暗闇に紛れ、路肩に停まる1台の車。
「バーボンが、如月ありすに接触…」
男はそう呟くと、アクセルを踏み静かにその場を離れていった。
裏切ったのは誰?
傷ついているのは彼女のはずなのに