ずっと家に居るので時間は問わないという沖矢さんの言葉を受けて、先にスイートポテトを受け取り沖矢邸へ向かう。地図アプリを見ながら指定された住所に向かうと、そこは住宅街の一角にある大きなお屋敷だった。
「たぶん、ここだと思うんだけど...」
ありすはインターホンを押そうとするが、表札が工藤になっていることに気付き躊躇する。
再度住所を確認しようとスマートフォンを取り出した時…
「如月さん」
顔をあげるとそこには玄関から顔を出した沖矢さんがいて、ご迷惑おかけしました、ありがとうございます。と申し訳なさそうに笑った。
「沖矢さん。スマホと、スイートポテトです」
そう言って、ありすはスマホとケーキの箱を手渡す。しかし、と言いかけた沖矢さんに、私は1つで十分なので、来客の方とでもと付け加える。事実、こんなレアなスイーツ、1つでも十分嬉しい。
すると、沖矢さんは少し考え込む仕草をして。
「それでは、うちで食べて行かれませんか?」
わざわざ来て戴いたことですし、ちょうど美味しい紅茶が届いたところなんです。そういって微笑んだ。
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「それでは、紅茶の用意をしてきますので、座って待っていてください」
大きなテレビやセンスの良い家具が鎮座するリビングに通されて、ひとり残されたありすはソファーの端に浅く腰掛けた。
沖矢さんに招かれたお宅は、屋内から見ても豪華なお屋敷で、なんだかそわそわしてしまう。
私が幼い頃住んでいた家は、もっと生活感に溢れていたなぁ。あらゆるところにシール貼りまくった時は流石に怒られたっけ...そんなことを思い出して思わず笑みが零れたころ。
「お待たせしました」
トレイに紅茶とスイートポテトを載せて、沖矢さんが現れた。
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