「おまえ…、ただで済むと思うなよ…!」
………犯すことはできなかった。
ここまでしておいてどうかと思うけれど、どうしても罪悪感が勝ってしまって、ごめん、ってひとこと言ってヒョンの身体から一歩身を引いた。…のに。
「…っあ、ヒョン、!」
「ここまでしておいて途中でやめるとかふざけんじゃねぇ、俺の気持ちも考えろっつんだよ…っ」
「あ、だから、やめて、謝ろうって…!」
「ばかじゃねぇの、」
せっかくこっちが折れてやったんだから最後までやり通せよ。
って、立ったまま俺の方を向き直ったヒョンは、解放された手で俺をトイレの壁へと押し付けて、俺のちんこを後ろにあてがいながら言い放った。すっかり形勢逆転である。
もう、なんでこうなる!?ていうかこのままヤるつもりなの…!?
いまさっきまで俺がしようとしていたことだけど、やっぱりヒョンに酷いことなんてできないと反省したのに。…したのに!それなのにも関わらずこの状況!おかしい!
そんな俺に対し、不貞腐れたような表情をしながら少しずつ腰を下ろしてちんこを自分の中に入れていくヒョンが目の前にいるからどうしていいかわかんない。
「ひょぉん…!」
「静かにしろよ、んっ、誰かにバレてもいいのか?あ?」
「だ、めです…」
「じゃあさっさと終わらすぞ」
その言葉とともにヒョンは自分の好きなように動き出した。
「ん、っは、てひょ、ん」
「…っあ、ヒョン、!」
……なんでこう、俺って結局ヒョンに翻弄されてしまうんだろう。
いくら俺がリードしたくたって、気づいたらヒョンの手の上で転がされてる。俺たち2歳しか違わないのに。それだけでこの差はなんなんだろう。
「ふ、っん、は、っ」
「ヒョン、きもちいの…?」
「…っん、」
俺の問いにこくこくと頷くヒョンは、自分の手で口を押さえながら気持ちいいところを擦っているからほんと堪んない。その必死な姿が可愛すぎて感情が溢れちゃいそうになる。
……ヒョンはちゃんと、あの人ではなく俺のことを見てくれてるんだろうか。わかんない、自信ない。だけど、いまこの瞬間はきっと俺のことだけ考えてくれてるはず。
は、は、と微かに漏れる息ですら全部俺のものにしたくて、ヒョンの体内から出てきたものがそのままただの二酸化炭素になるのはなんだか勿体無くて、ヒョンの身体をこちらに向けてキスをした。
「んっ、ん、う、ぁ、っはぁ、」
「ヒョン、かわいい、すき、ユンギヒョン、っ」
「んん、っふ、んぅ、テヒョン…!」
それからは、すっかり喜んで俺を受け入れるそこが気持ち良すぎてここがトイレだという事を忘れてしまいそうになりながら、後ろからめちゃくちゃに突いた。必死に声を抑えているけれど、時々漏れるヒョンが気持ちいい時にしか聞けない声が堪らない。
「…っ、おれ、いく、」
「んっふ、ぅ、!」
「っあ、…!」
「〜〜っぁ、て、ひょん…!」
イく寸前、ギリギリのところで引き抜いて、トイレットペーパーに吐き出した。さすがに衣装に付いたらやばいってどっかで冷静な自分が注意してくれたおかげでそれらはなんとか死守できた。
お互い身なりを正している途中、ユンギヒョンに思いっきり背中を叩かれて、おまえ帰ったら覚えとけよ?ってめっちゃドスの利いた声で言われた。やばい、身に危険を感じる。
で、でも一つだけ言わせて?……俺途中でやめようとしたからね!?続けたのはヒョンのせいだからね!?
なんて、その言葉たちは喉元まで出てきたけれど、俺は大人しく「はい」とその二文字しか言わなかった。
……帰ったらちゃんと説明しよう。それでちゃんと謝るんだ。
ヒョンのこと信用してないとかじゃなくて、俺とヒョンの始まりがあの人ありきの出来事だったから、未だヒョンは本当は向こうの方が好きなんじゃないかとか思ってしまうこと。弱みに付け込んだからこそ落ち目を無意識に感じてしまうこと。
かっこわるいけど、俺のそういうところをヒョンにわかって貰おうってようやく決心が付いた気がする。
ほら、ぐずぐずしてないで行くぞってユンギヒョンは俺に手を差し伸べた。
……やっぱりユンギヒョンは男前だ。
その手を掴んで、俺はその背中を追った。
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