サイレンの音が鳴り響く。
飛彩はベイルアウトの簡易ベッドから飛び起きる。
「相澤が危ない!」
隊室に飛び込み頭を抱えてデスクの横で怯えていた。
「…桐生先輩?」
「今の放送聞いただろ。
何ぼさっとしてる行くぞ。」
飛彩は鳴子の手を引き隊室を出る。
すれ違いざまに諏訪隊の面々と出会う。
すれ違いざまに注意を受ける。
「まだ避難してなかったのかよ。」
「さっき倒されたばっかっす。
…侵入者撃退頼みましたよ。」
飛彩は曲がりなりにも希望を託すかのように諏訪にいう。
「…あたぼうだ。
はよ避難しろ。」
三人を見送りながらシェルターに足を進める二人。
*
一方、龍樹はというと近界兵を蹴散らしながら目的地まで屋根伝いに飛び回る。
「チッ、数が多い。
小湊さん、目的地まで何メートル?」
『300メートル。
迅さんと空閑君が人型の近界民と接触してる。』
彼の予想は外れたが間に合わせないといけない。
進める足を早め、前を見る。
見えた。
何か話しているがかまやしない。
相手と先輩達の間に割って入る。
「あたしの妹とその友達に手出しするなら容赦しないわ。」
「おっと、間違えた。
俺がじゃなくて俺たちがだった。」
ナイスタイミングと親指を立てる迅先輩。
『ブースト、ダブル。』
空閑君が杖を持った近界民を追い詰める。
「…あ、しまった。警戒区域の外で戦っちゃダメなんだった。」
「気にすんな。
なんせ非常時だからな。」
磁力の攻撃を三雲君が防いでそれを皮切りに再び開戦の狼煙を上げる。
「そっちは頼むぜ京介、メガネ君。
連絡通路は使えない。
直接基地を目指してくれ。
あーそれと龍樹。」
「何です?」
三雲君たちについて行こうとしたら呼び止められ振り返る。
「どんなことがあっても冷静になれ。
お前は悪くない、自分を信じろ。」
それだけを言って背中を押す先輩。
「了解。」
エスクードを背に基地を目指す。
だが、その行手を数体の新型が阻む。
幾らA級隊員2名、B級1名だとしても戦力的にC級を守りながらでは部が悪い。
「露乃、あたしのことを嫌ってるかもしれないけど今は言うことを聞いて。」
あたし自身も専用トリガーがあるとはいえ、新型の攻撃を防ぐ事で手一杯。
「…わかってる。
お姉ちゃん、あの…。」
露乃が何かを言いかけた瞬間、三雲君が磁力の新型に捉われる。
「修君!」
「メガネ先輩!」
「三雲っちには手を出させない!」
C級の三人が三雲君を庇う。
千佳さんと三雲君が共闘でアステロイドを打つ。
その隣で露乃は磁力の粒を攻撃したはずみで抜け出す。
「ありがとう、千佳、雛菱。」
正面の新型を見据えて身構える4人を横目に負けてられないと攻撃の手を緩めず新型を撃破する。
出水君が三雲君を褒めていると急に彼が上を見上げていう。
「攻撃が来ます!」
人型ネイバーが鳥の形をしたトリオンの塊が降り注ぐ。
C級隊員に当たり、トリオン体が歪む。
「なっ…。」
その様子に驚きを隠せない。
当たった瞬間、シールドもトリオン体も全てキューブに変えられる。
緑川と出水も敵の攻撃によって動けないところまで追い詰められた。
だが、あたしは行手を新型に阻まれていけない。
「私が行かないと…。」
敵の狙いが千佳ちゃんだと気がつき露乃が駆けていく。
「ダメ!露乃。」
静止も虚しく露乃が千佳ちゃんを庇い2人もろともキューブに変えられる。
「千佳!雛菱!」
キューブに手を伸ばす三雲君。
あたしは怒りに我を忘れ、人型ネイバーに立ちはだかる。
三雲君は烏丸君に進めと諭されてキューブを二つ抱えて走り出す。
「お前には用がない。消えろ。」
虫のトリオンの塊が襲う。
だが、私は壁を伝い、間合いを詰める。
「よくも…よくも妹を!」
「龍樹さん!落ち着いて!
あんたが怒りに飲まれてどうする!」
出水君の叫びにハッとし、武器を構え直す。
「ごめんなさい。
でも時間稼ぎなら。」
できると言い切る矢先に黒い円状の穴に吸い込まれて何処かに飛ばされた。
「接触型のサイドエフェクト持ちか我々の計画を知られると厄介だな。
お前は後回しだ。」
飛ばされた先には無数のトリオン兵。
新型もかなり多い。
トリオン量も前の戦闘でかなり消耗してる。
「やってやろうじゃない。」
氷輪を構えなおし距離を取る。
一刻も早く、三雲君たちに追いつくために。
【To be continued】
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