※いつものツインスナイプが打てるようなかっこいい佐鳥はいません。
女の子に一喜一憂してるデレデレだらしない佐鳥ならいます。
ほぼ佐鳥視点で物語は進みます。
合わないのならブラウザーバックで。 

※今回は佐鳥視点のみです。
 
 高嶺の花といえば皆さんどのような女性を思い浮かべるか。
容姿端麗、才色兼備、箱入り娘。
そんな絵空事のような単語の似合う女性など早々いない。
居ないに決まっていると思っていた。
だが、俺、佐鳥賢は今モーレツに恋をしている。
同じスナイパー隊員の佐城理沙さん。
いつ見ても可憐で可愛らしい。
「何をニヤニヤ気持ち悪い顔してるんですか佐鳥先輩。」
俺が佐城さんのことを遠巻きに見ていると木虎が肘で小突く。
「ん〜?佐城さんは今日も可愛いなーって。」
「はぁ、そんなに好きなら話しかけたらいいじゃ無いですか。」
話しかけられるものならとっくに話しかけて仲良くなってる。
だが彼女の隣には常に誰かしらいるのだ。

 今だって楽しそうに綾辻さんとお話ししてる。
側から見ればボーダー内美人トップとお嬢様の戯れにおいそれと入れる男はいない。
否、嵐山さんくらいの紳士的な人ならあの輪に入っても違和感が無いかもしれない。
だがあの戯れを壊したく無い。
本音を言えば、話しかけたい。
そしてあわよくば仲良くなりたい。
そんな様子をニヤニヤと見ているとふと顔を上げた彼女と目があった。
彼女はこちらに気がついたのかゆっくり手を振って軽く微笑む。
「今の見た?俺に手を振ってくれた!」
「社交辞令ですよ。
大体、佐鳥先輩がいつまでも見てるからじゃ無いですか。」
そんなことはないと反論して木虎と言い合いをしていると綾辻さんと佐城さんがこちらへやってくる。
これは千載一遇のチャンスかと思って口を開きかける。
「あ、あの。」
「何でしょうか?」
コホンと咳払いをして一呼吸。
落ち着け俺、とにかく話題を考えるんだ。
「きょ、今日はいい天気ですね。」
「は、はぁ、そうですね。」
し、しまったー!
これじゃあ完全にお見合いじゃないか!
しかもなんか気を遣わせてしまったような空気になってるし!
隣をチラリと見て木虎にヘルプを送る。
渋々という顔で木虎が口を開く。
「佐城先輩、こちら私の部隊の先輩で佐鳥賢って言います。何でも佐城先輩にご用があるみたいでして。」
ナイスフォロー!ありがとう!神様!女神!様木虎様!
頭の中で天使が狂喜乱舞していると不思議そうに佐城さんは小首を傾げる。
そんな姿も素敵だから困る。

「まあ!木虎さんの先輩なのですね。
私(わたくし)佐城理沙と申します。
良ければラウンジでお茶でもしながらお話ししませんか?」
「もちろん!喜んで!お伴します!」
彼女の手をぎゅっと勢いだけで握るとクスクス笑い声がして振り返ると綾辻さんと木虎が笑って居た。
「ふふっ、佐鳥君必死ね。」
「綾辻先輩、ああいうのはほっといていいですよ。
多分自滅しますから。」
自滅とは何だ自滅って!
今に見てろよと心の中で呟いて、行きましょうと佐城さんの手を引く。


 
「クスクス、佐鳥さんって面白い方なんですね。」
改めて、自己紹介を交えつつ、身振り手振り話す。
その様子がひどく気に入ったようで佐城さんはにこやかに俺に微笑みかけてくれる。
「へへっ、そうかなぁ。」
「嵐山隊の事は正宗叔父様や根付さんからお聞きしてますし、何でも佐鳥さんはムードメーカーだとか。」
褒めてもあんまり何も出ませんよぉ〜と鼻の下を伸ばす。
あーなんて幸せな時間なんだ。
天にも舞い上がる気持ちで目の前の憧れの少女と話をしている。
ヒソヒソと俺の噂が聞こえるが知らんぷりできるほど幸せだ。
「あら、もうこんな時間ですか。
すみません、私、これから業務があるのでまたお時間があるときに連絡してください。」
そう言って彼女は小さな連絡先が書かれた名刺を差し出す。
「は、はい!ありがとうございます!それではまた!」
「そんなにかしこまらないで。
私たち、もうお友達なんですから。それでは失礼いたします。今日はありがとうございました。」
本日2度目の最高の笑顔を貰いました!
なんか名刺から良い香りするし近くで見ても可愛らしいしもう直視できない!
笑顔で眩しくて顔を逸らしてる俺を心配そうに見てる佐城さん。
ごめんよ、君が眩しくて直視できてないだけなんだ。
控えめに手を振ってラウンジを去って行く姿も可憐だなぁ。

 丸一日中、幸せを噛み締めていると。
「今日はご機嫌だな佐鳥!」
俺に負けないくらいの眩しい笑顔で嵐山さんに聞かれた。
更に「今日の佐鳥は絶好調だね。」ととっきーまで俺の機嫌に言及してくる。
今日ならなんでもできる!と意気込んで勢い余って味方に当てそうになったり、根付さんからの言伝を忘れたりして盛大に怒られてしまった。
散々な目にあったが握った手の暖かさと彼女の笑顔が脳裏から離れずその日は布団で悶えることに。
嗚呼、もっと彼女のことを知りたいなぁ。
上着のポケットに入れた名刺を何度も見返して震える手で連絡先を打つ。
登録を完了させて何を打とうか考えているうちにだんだんまぶたが落ちてくる。
振り返って時計を見れば11時を過ぎていた。
悶々と悩んでいたが睡魔には勝てずベッドに倒れこむ。
嗚呼、さらば今日という幸せな日。
そしてまた明日、ボーダーで彼女に会えますように。

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