体育祭の第1種目は障害物競走。
スタートダッシュは轟が個性を使い、平原から氷の大地へと化した。
だが、A組の実力者は個性を使い各々前へ前へと進むのであった。
「…上から行けるのはすごいなみんな。」
雫は泡のボードを作り、その上を滑りながら進む。
だが、そのA組の余裕も峰田が吹っ飛ばされたことで終わりを告げる。
『さぁ、いきなり障害物だ!まずは手始め…
第一関門、ロボ・インフェルノ!!』
試験の時のロボットが学生たちの行く手を阻み、皆、驚愕する。
「入試んときの0p敵じゃねえか!」
「まじか!ヒーロー科たんなんと戦ったの?!」
「多すぎて通れねぇ!!」
巨大でしかも数が多いロボット相手にヒーロー科でも動揺を隠せない様子。
一方、先陣を切っていた轟は諸共せず、個性で凍らして間をすり抜ける。
その様子を見ていた生徒が間を通過しようとした瞬間、不安定なロボットが崩れる!
「やめとけ、不安定な体勢ん時に凍らしたから…倒れるぞ。」
『1-A轟!
攻撃と妨害を一度に!
こいつぁシヴィー!
すげぇな!一抜けだ!アレだなもうなんか…ズリィな!』
実力の差を見せつけられ、闘志を燃やす。
猫柳が動いた。
「轟ばっかいいところ見せてんじゃないにゃ!」
両手の爪を伸ばし剣戟のように振るう。
細切れになった鉄くずが空から降り注ぎ、他生徒を襲う!
『おおっと!1-A猫柳が動いた!
映画みてぇだなイレイザー。』
『…俺に同意を求めるな。
動きにまだまだ無駄が多い。』
「ぐぬぬ…。」
相澤の言葉を悔しげに猫柳は受け止める。
後ろから迫る人数も少なくはない油断はならないと足を早める猫柳であった。
*
『オイオイ、第一関門チョロいってよ!
んじゃ第二はどうさ?!
落ちればアウト!
それが嫌なら這いずりな!
ザ・ウォール!』
深い溝と心もとない綱が貼られるエリアに皆足を止める。
「大袈裟な綱渡りね。」
蛙吹が先陣を切る横でサポート科の発目がアイテムを使って乗り切る。
それを皮切りに我先にと皆綱を渡り始める。
「…何で渡ろうとするのかねぇ。」
呆れた様子でこもるは頭をかいて深呼吸をする。
「さて、行くか。」
意を決して踏み出した彼女の綱が凍る。
正確にはドライアイスが張り巡らされている。
その上を器用に彼女は滑り、一気に順位を上げる。
『おおっとB組も負けてねぇぞ!
1-B冬羽こもる前へ出たー!』
実況に顔をしかめながらも彼女は先頭集団へと追いつき、雫と並走する。
「やぁ、またあったね。」
「ええ、負けませんよ。」
火花を散らしながら進む先は地雷原とは知らず、二人はアナウンスも耳に入らず飛び込む!
「きゃ!」
「ぎゃふ!」
ピンク色のガスに包まれながら足を縺れさせ倒れそうになる二人。
(確か冬羽さんは轟君と似た個性。
ここじゃ私の方が地の利が悪い。)
ならどうするべきか。
妨害はできない。
ならせめて加速することはできると考えつき、足裏に弾力性のある泡を仕込む。
スキップを大股でするように彼女は前へ前へと跳ねる。
「へぇ、やるじゃん。
でもそう簡単には行かせない。」
雫の足元を凍らせようとした瞬間、彼女らの上を緑谷が飛んでいく。
「…なにあれA組のやつ正気?」
それに気を取られたこもるを抜かし、雫は先頭の二人へと追いついた。
だが、二人とも緑谷にしか眼中になく追いつくのがやっとだった。
*
第1種目の結果は雫4位、こもる5位という結果となった。
第2種目は騎馬戦で、一位の緑谷には1000万ポイントが付与され誰も煙たがられるという事実。
一方雫は隣にいた猫柳の肩を掴む。
「ねぇ、猫柳さん私と組まない?」
「はっ、幼馴染の轟に頼るのかと思ったにゃ。」
少し皮肉った様に言えば雫は食い下がる様に言う。
「確かに轟君と組めば勝ちは見えるかもしれない。
でもね、それじゃダメな気がするの。
幼馴染だからこそ彼に勝ちにいかないと。」
「ふん、変なやつにゃ。
まあ、乗ってやらないでもないにゃ。」
そう行って二人は握手を交わす。
「ちょっと待った。
その話、ボクにも一枚噛ませてよ。」
三人目、四人目を探そうと辺りを見回してる二人に声がかかる。
緑髪を揺らし、眠たそうな目が珍しくやる気に満ちている冬羽こもるだった。
「あなたは確かB組の…。」
「冬羽こもる。
忘れたとは言わせないよ?」
ニヤリと妖しい笑みを浮かべるこもるに対しちょっと引き気味に雫は了承する。
「あと一人騎馬戦には必要だにゃ。」
猫柳がそういうと肩を遠慮がちに叩かれ振り返ると眠そうな男子生徒が立っていた。
「あの、もしよかったら入れてもらえないかなって。」
イマイチ頼りなさそうな雰囲気が気にくわないと言わんばかりに猫柳は顔を歪める。
「人数足りないしいいよ。
猫柳さんも怖い顔しないの。
私、水無月雫。
貴方の個性と名前を聞いていいかな?」
優しく雫が聞くと彼は素直に答えた。
「僕は癒月澄。
個性は治癒力。
触れたところを直すだけのものだけだし眠くなるから個性は使えないけど脚力はそこそこ自信ある。よろしく。」
「うん、よろしくね。」
他二人の紹介を交えつつ騎馬を組む。
さあ、第2種目の開幕はすぐそこだ。
【To be continued】
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