「陣!!!亮介!!!瑞樹!!!」
「瑞樹くーーん!!おかえりーー!!」
施設の扉を開けると、真っ先に走ってきたのは約2年ぶりに会う湊と志朗だった。
僕に抱きついてきた志朗は背が伸びていて、驚きのあまり出会い頭に僕も亮介も思わず笑ってしまった。すっかり背を追い抜かれてしまっていた。
「シロおま、何食った!!なんかすげぇデカくなってねぇ!?」
「うん、なんかすっごい背ぇ伸びてさー。膝とか超痛いの!てか陣くん、全然身長伸びてなくない?」
「うっせぇよ!!」
「湊は?元気にしてたか?」
「元気元気!最近は志朗と2人で曲作ったりしてさ!5人で歌う曲とかも作ったんだ!」
弾けるような笑顔の湊に、つられて笑顔になる。
僕に抱きつく志朗も、満面の笑みだ。(昔みたいに小さくないから、抱きつかれるこっちはただ重たいんだけど)
「ねぇねぇ、学園のこととか仕事のこととか色々話聞きたいからさ、今日は5人で雑魚寝しない!?」
「雑魚寝とか言っといてそもそも俺らを寝かせる気ないだろ、志朗」
「俺も聞きたい!やっぱライバルとかいんの?」
「大した話なんてなんもねーぞ?あーでも、アレか。ダンスのレッスンだけはマジでキツイっつーのは、予備知識で入れといてもいいかもな」
「makkoのレッスン?うーん、まぁ…あのレッスンだけは確かにレベル高いかもね」
「なになにそのマッコーって!なにそのマッコーって!超気になる!」
「makkoっつー、ゲイっつーか、まぁ…オカマのダンサーがいるんだけどな。こいつがまたすげぇダンサーでさ。んで、すげぇスパルタなんだよ」
「オカマ!?オカマのダンサーでスパルタで名前がマッコー!?」
「やめろ湊、改めて言うな。笑える」
尽きることのない5人での会話。
2年ぶりのホーム。
施設へ向かう夏さんの車の中で、僕も陣も亮介も、ほぼ沈黙だったはずなのに。
まるで何事もなかったかのように、今こうして5人で笑顔になっている。
『たまにはリフレッシュも必要』
夏さんの言葉がふと頭の中を過ぎる。
「いこ、瑞樹くん!」
屈託のない笑顔を向けてくれる志朗に手を引かれるまま、僕は2年ぶりに施設の扉をくぐった。背後には湊とふざけ合う陣。穏やかな笑みを浮かべる亮介。
廊下に響く子供たちの賑やかな笑い声。
声をかけてくれる馴染みの職員。
凍りついていた何かが、ゆっくりと溶け出すような。
そんな感覚に、僕は包まれていた。
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