――ザァァァァ、


雨の音が聞こえる。


他に聞こえてくるのは、走り去っていく車の音。


目の前が暗い。


胸が痛い。全身、どこもかしこも痛い。


高速道路の傍らに投げ出された俺は、雨に打たれながら背中を丸める。


バイクに乗って、アイツらより後にスタジオを出て。


高速道路に乗ってしばらくして。


気が付いたら、こうだった。


あぁ、そうだ。俺、車とぶつかったんだった。


幅寄せしてきた黒の乗用車を避けようとしたんだけど、ソイツが幅寄せ止めなくて。


そのまま俺はぶつかって、バイクから投げ出されたんだ。


――イテェ。マジでこのまま、俺。



(……死ぬんじゃねぇの……?)



闇の中、白いライトが俺を照らす。



「おい!!!大丈夫か!!!」

「生きてるぞ!!!誰か救急車呼べ!!!早く!!!」



誰かが俺を抱き起こす。


「おい、コイツ…!!BUCKSの神名陣じゃないか!?」

「ウソだろ!?おい!!死ぬなよ!!!救急車急げ!!!」


あぁ、顔はグチャグチャになってねぇんだな。俺だってこと、バレたから。



全身が痛い。痛くて痛くて、もう、耐えられねぇ。口から血の匂いがする。鉄の味がする。きっとむせたら、口からゴボリと血が出てくるんだろう。



降りしきる雨の中、俺は誰かの腕の中で、瞳を閉じる。



(なんだ…こんなところで…終わりかよ……)



情けない自身の終焉。



その最期に、俺は瞼の裏に浮かんだアイツの名前を呼んだ。




「……湊……」




遠くでサイレンの音が聞こえる。



体が冷たくなっていく。





――俺の意識は、暗闇の中へ溶けていった。







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