私のしていることがばれてしまった以上は二人にどういった経緯でこういうことをしているのか、それを話さなければならない。この間赤井さん個人にそのことを聞かれ「へ?なんのことだかさっぱりです。」というと些か乱暴にベッドに運ばれ危うく犯されそうになった。声を大にしていうのは恥ずかしいが恋人を犯そうとするってどういうこと?




二人に説明をしないといけないことは私が前々から思っていたことだし、事件に探偵が関与していないわけがなく、そこで安易に動きまくった私の責任でもある。あの二人にこのことを話すのは致し方ない、私は二人を呼びつけて一路Bar Grandへ向かう。




「いらっしゃい、誄ちゃん。」




「ジョグ、ごめんな私のせいで。」




「誄ちゃんが気にする事じゃないわよ、さぁ、座って。」





ママはどうにも具合が悪いらしく、自分の家から出るのも難しいらしい。いろいろと仕事を頼んでしまった私の責任だ、申し訳ない。





この間食事に来た時のように6人掛けのデーブルに座る、私の隣はジョグ。そしてそれに対峙するように赤井さんとコナンくんが座っている。





まず、私たちの団体がどういうものであるかを簡単に説明した。新しく話さなければならない事は少なく、大概が以前二人に話した事と重複していた。しかし、この団体を立ち上げた理由を語るにはまだ二人の知らない私の過去を話す必要が有る。





「このGIGは私の両親と関係があるんです。」





「ちょっと、誄ちゃん。その話までするの?」





「私たちの事を知られた以上、話さないといけない。」





「・・・誄ちゃんがそう言うならいいけど。」





私の両親は4年前にある人たちに殺された。そのある人たちというのがおそらく今二人が追っている「黒の組織」、家族が組織に殺されるような事をしていたのかはわからないが殺し方、そして何も残さないやり方は組織が得てしているやり口そのものだった。





「ご家族が死んでしまって、私が働いているこの店に誄ちゃんが来たの。」





「ジョグに手伝ってもらって、家族の死の真相を調べたかった。」





「そして、調べていったら組織に繋がったんだね。」





「そう、あの時私の家には何人も野次馬がいたの。でも犯人を見た人は一人もいないって。でもそんなことおかしいと思わない?だってあれだけ大事になっているんだもん、見ていない人なんていないと思った、だから調べた。」





「それで、たどり着いたのか?」





「はい、おそらく奴の犯行だと思います。」





「確証はあるの?」





「近くのビルから私の家族を狙撃したらしいんだけれど、髪が長く、男性で黒い服を着ていた人物を見た人がいるの。」





やっとの思いでたどり着いた情報。そしてそれにつながる黒の組織のメンバー。幹部になり名前まで頂戴している髪が長い黒い服を着ているそして男性。それは否が応でもジンを連想させるに相応しかった。





私の家族は工場で警察関係者に配られる拳銃の内部の部品を製造していた。警察関係者にはそれはそれはご贔屓にしてもらっていて。たまにだが警察関係者の人たちが工場に顔を出していた。名前こそ知らないものの結構偉い人なんだと思う、そんなおじさん、お兄さんたちに抱っこしてもらったり、遊んでもらったり、小さい頃からしていた私はかなり面白い経験をしていると実感している。





組織について私がわかっている事は幹部は酒の名前をもらえるという事、ラム、ジン、ウォッカ、キャンティ、コルン、ベルモット、スコッチ、バーボン、そしてライ。彼らが組織において重要な人物である事はわかってる、元いた世界でも多少は知っている名前がいたくらいだ。





コナンくんに知っているかと聞かれ、車で一悶着あった時は焦ったが名探偵をも騙せる演技力を身につけた私に座布団一枚、と褒めたたえたくなった。





そう、私は組織を知っている。


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