豪快なドリフトを三台で決めながら私たちは高速道路を文字通り高速で走っていく。彼女の乗る車は先に走っていた一般車をなぎ倒し道路から落としながら走っているのを見ると、いったい何人の人がこのカーレースで怪我を負って、車を破壊されているのだろう。よもや死人が出るレベルなのではないだろうか。この惨事で死人が出ていないのならこの世界の人間は鋼の身体よろしくなんと丈夫にできているのだろう。




白い車に突撃する私たちの乗っている赤い車。かの車から叫び声が聞こえる。




「下がれ赤井、あれは我々のものだ。」




赤井さんが絡むとなぜだか熱くなる安室さんが当然のごとくこちらに向かい怒鳴ってきているのはいいが。




「うわぁ、車て宙をまうんですね。」




「感心している場合ではないな。」




皆さんは実際に見たことがあるだろうか、車が宙を舞う光景を。花火やバンジーのような見事な高飛びを披露している車は私たちの元に一直線に落ちてきている。あの車に乗っている人可哀想。だがさすが赤井さんのドライビングテクニック。華麗に車をかわし、そして安室さんの車の前に出たところで声をかけた。




「この先渋滞です、引き返してくる可能性が高いので車を止めて待ちましょう。」




「了解。」




止められた車から降り、先に広がる光景を見るために道路の端に移動する。彼女の運転する車は道路から落ち、一緒に落ちたトラックの上を走私たちのいる道路のはるか向こうを走り出した。


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