しかし、しばらくすると彼女の乗った車はこちらに引き返してくる。それもそうだろう。この先渋滞。首都高が夜この時間に渋滞もせずすんなりと走れることなどない。考えが甘いな。




「来ました。」




「まかせろ。」




「あれ絶対150キロ以上出てますね。スピード違反です。」




逆走して戻ってきた車はこちらに向かい一直線に走ってきている。途中彼女の顔つきが変わったことから私たちが何者なのか理解したのだろう。おそらくこのまま車を走らせて二人とも轢き殺してやろうという算段だろう。だがそうはいかない。




「あ、隠れました。」




「タイヤを狙う、こちらに寄れ危ないぞ。」




「はい。」




女性は私たちの狙いがなんなのかわかったのか、どうだかわからないがアクセンル全開ハンドル固定のまま上半身だけ車の中に屈めて自身を守る体制に入った。車は相変わらずそのままこちらに向かってきている。




赤井さんはタイヤを狙い、車をスリップさせて止める作戦なのだろう。止まっている車の方ではなく開いた道の方にいた私は赤井さんの車の方に寄り、赤井さんの隣にわざと引っ付いて腰を据える。




「・・・。」




「集中しないと当たりませんよ。」




「困ったやつだ。」




ライフルから放たれた弾丸は彼女の車のタイヤに見事命中、車はスリップをしながらその場で止まることなく道路の下、地上に落ちていった。彼女の車と一緒に落ちていったトラックもろとも、大爆発、なんの映画の撮影だと言わんばかりの熱量だろう。




「やつは?」




「おそらく海の中です、車から脱出した人影が見えました。」




「そうか。」


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