呪いで首を絞めた












いつの間にかトムとわたしは常に一緒に行動していた。


何処に行くにもご飯を食べるのも、ずっと一緒だった。

みんなが寝静まった後、ミセス・コールの目を盗んで一緒の部屋で寝たりもした。


それは約束した訳でもなく、ただ、自然とそう習慣づいてしまっていた。



つまり、トムもわたしも、お互いが特別な存在だと信じきってしまい、お互い依存しあっていたのだ。




「名前ちゃん!こっちで一緒に遊ばない?」


「エミリー!そうね、そうするわ、……トム?」


いつもの様にトムと2人でいれば比較的仲の良いエミリーという可愛らしい女の子が駆け寄ってくる。

だがトムの、わたしに話しかけてきたエミリーをギロリと睨むその瞳は、今にも敵に噛みつきそうな牙を想像させた。

その赤い瞳に怯えたエミリーは友達を引き連れて逃げてしまう。

わたしはその様子を茫然と見ていた。



「名前」



トムがわたしの手を強く握り、不意に目が合う。



「名前は一生僕のモノだよ」




そういったトムは、わたしの唇にそっとキスを落とした。


まだ、まだ幼い、トムと出会って丁度1年が経った、7歳の出来事だった。




ただの、幼い子供の台詞ではあるが、この時私は分かっていた。

もう後戻りは出来ないのだと。




「ええ、トム、私は貴方のものよ、これからずっとね」


「じゃあ、約束だ。絶対に僕から離れないで。一生だ」


「約束、するわ」



そういって、私達は呪いを掛けた。

言葉の、呪いを。





花死