わたしを写して
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「みんな、今日から新しい家族が増えることになりました」
そう言って、トン、と押された背中からは有無を言わせない威圧感のようなものを感じた気がした。
わたしは、孤児院に預けられた。
6歳の頃。
目の前には、わたしと同じくらいの子供たちから大きな人まで集まっていてまさに興味津々という様な視線で見ていた。
わたし自身、慣れたことだったが気分の良いものではなかった。
「名前・苗字です。よろしくおねがいします」
先程そう言え、と言われた通りに挨拶をすればパチパチと大きな音を立てる素直な拍手をもらった。
だがわたしは、目の前で繰り広げられるハキハキとした拍手より、
「院長、あの子って、」
「あの子?…あぁ、彼はトムよ。その、よく面倒を起こす子だから……」
トム、と呼ばれたその独特の雰囲気を持つ男の子にわたしは興味を持った。
木の下でジッと本を見つめる男の子。
陰気で暗いわけではなかった。
ただ、不思議と何かを感じさせる、人を寄せ付けないようなそんな雰囲気だった。
「院長、私あの子と仲良くなれるかしら」
「…どうかしら、…でも是非、仲良くしてあげて頂戴」
ミセス・コールが私の肩を抱いてそう言った。
トムは、一度も此方を見なかった。