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我らボードゲーム同好会
がんばれ(仮)補佐君
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「……はぁ」

 思わず溜息が漏れる。僕は表札に『ボードゲーム同好会』と記された教室の扉の前で足を止めた。
 生徒会室と見紛うような重厚な造りの扉のその向こうには、生徒会役員たちも顔負けのメンバーがいる。

 そもそもメンバーたちは全員が生徒会役員入りを辞退したメンバーばかりで、ボードゲーム同好会は裏生徒会と呼ばれている。おまけに本家の生徒会よりも人気も人望もあるメンバーが揃っているので、入部希望者も後を絶たないらしい。

 ボードゲーム同好会の部長は二年生の五十嵐先輩で、先輩は生徒会長に匹敵する人だ。世界を股にかけて躍進する五十嵐グループの後継者にして、間違いなく学校一のエリートで。
 性格は俺様な自信家で、面倒臭いとの理由で生徒会入りは辞退はしたけど、生徒はもとより先生からの人望も厚い。
 その他にも副会長に当たる王子様キャラの先輩もいて、この扉の向こうには、まさに第二の生徒会と言える絵に描いたような光景が広がっている。しかも実際の生徒会役員たちより役員らしいのだから、生徒たちからの注目度もかなりのものだった。

「……すうっ」

 覚悟を決めるべく深呼吸を一つ。めくるめく仮想生徒会室とでも言うべき部室の扉を開ける。

 うちの学校は所謂、王道の全寮制の男子校で、初等部から大学までのエスカレーター式の私立学園でセレブな生徒ばかりが集っている。実は腐男子の僕の進学先はここに決まっていたんだけど、卒業間近に親の海外勤務(所謂、引っ越しね)が決まって一度は海外の高校に進んでいたりする。
 だけどどうしてもうちの学校を諦めきれなくて、なんとか両親を説き伏せて夏休み直前に編入することが出来た。親元を離れることは正直辛かったけど、どっちみち全寮制だから親元を離れることになるし。

 期せずしてBLにおける王道転校生にして、生徒会役員における補佐って役職に仮定される存在になってしまった僕。
 まあ、僕のことはこれくらいで置いといて。とにかく僕は、この学園生活を満喫しようと決めたんだけど。

「あんっ、部長っ。そ、そこぉっっ!」

 扉を開けた途端、そんな台詞とともに、僕の目には少々刺激的すぎる光景が飛び込んで来たのだった。


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