とや松

 ……愛殺世界を紐解くキーパーソンとしてラムズ・シャークの存在が挙げられる。
 白銀の宝石を紡いだ髪。青水晶を嵌めた眼、陶磁器よりも白い肌。氷よりも低い体温。神に等しい英明な思考。
 創造神の寵愛を一身に賜った美しい彼はニュクス王国のラピスフィーネ王女殿下の心を簒奪したのである。ニュクスは女王制であり王室の娘婿は代々影響力を行使してきた。ラムズはその王国の一男爵でしかない下級貴族ではあるが、色仕掛けで王女殿下のお気持ちをたぶらかし奉る罪深きオトコでもある。
 彼は神に祝福された貴公子か?
 あるいは悪魔に憑かれた拷問狂か?
 彼には宝石を愛する純粋な心と、使族を平気で殺せる残酷な倫理観が同居している。
 半万年の彼の人生に被害者女性は何人いただろう? ひょっとしたら祖母、母、娘の三世代に渡ってのラムズの恋人がいたかもしれないのだ。
 誰よりも命を殺し、誰よりも夜伽を繰り返す。死と性が同居する彼の生き方に、筆者たる私は心奪われた。ある意味男子の理想像でもあるのだ。
 ひとつだけ確実に言えることがある、私も海賊の王子ラムズ・シャークの忠実なる下僕であると……


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