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「なるほど。でしたら娘さんがご帰宅された時には既に錯乱された状態だったんですね」
「はい…いかんせんそのような娘を見たのが初めてでその時は私達も気が動転してしまい、当時のことはあまりはっきりは覚えていないのです…」
ただ元々はとても気立の良い穏やかな子だったんです
四肢を縄で繋がれ血の気の引いた顔でぐったり眠る娘を見て、夫婦は膝の上にぐっと両手を握った。
「ひとまず、これ以降アヘンを常用するのはおやめください。アヘンは確かに昂った気を鎮める効果もありますが幻覚や妄想などの異常行動を起こしやすくなります。また、依存性も高く使い続ければ娘さんは廃人になってしまいます」
って蟲柱様がおっしゃっていた!
胡蝶屋敷に大怪我をした隊士を見舞いに行った時、お香かなと思って嗅ごうとしたら怒られたのを思い出す。
「お医者様からも、そう言われているのですがら、たすけてと叫ぶ娘が可哀想で可哀想で…」
うぅ…うぅ…
啜り泣きながら夫婦はお互いの手を取り合った。
「助けを求める以外に娘さんは何かおっしゃっていたりしませんか?」
「なにか、ですか…。…そうですね、興奮している時は何を言っているのか聞き取れないことが多いのですが、こうやって眠っている時に、よく白無垢と呟くような気がします」
「白無垢ですか」
「寝言ですので、意味があるのかは分かりませんが…」
「いえ、お忙しいところありがとうございます。
娘様が起きたらまずは両手を握りしめてあげてください。そしてゆっくりと重湯をあげてください。元気になるためには愛情と栄養が必要ですから」
これも蟲柱様の受け売りだけど!!
「こちらこそありがとうございます。何卒どうか、娘がこうなってしまった原因を突き止めていただけることを切に願っております」
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