悪戯心2
若干女性攻め要素




「はっ、たいしょ、もうやめ…!」
「ん…もうちょっとだけ…」
彼のソレへそうするようにすりすりと鞘部分を手のひらで上下に擦り、先端に口づける。
本人には何もしていないのに快感にびくびくと身体を揺らす姿は、普段の薬研からは想像がつかないほど余裕がなさそうだ。そしてそんな彼を見れるのは私だけなんだと思うと嬉しいし、もっと見たいという欲求が強くなる。
「さすがに汚れちゃったらだめだから、咥えるのはやめておくね」
ごめんね〜なんてまるで薬研が望んでるような私の口ぶりに、頼んでないと言いたげに睨まれる。こわいこわい
かわりにちゅっちゅと軽い口づけを刀全体に落とせば、面白いくらいに薬研の腰が跳ねた。
「あっ…っ〜〜!」
「こえ、我慢しなくってもいいのに」
クスクス、わざと煽るように笑う私を薬研はどう思っているだろうか。でもそもそもは薬研が構ってくれないのが悪い。
頭の中でそんな小学生並みの責任転嫁をしながら、刀を持つ手の力を強める。
「っ!!た、しょ…!マジでもう、やめっ…」
「いいよ?わたしにぜんぶ見せて」
性格はさておき見た目は可憐な美少年の薬研が顔を桃色を通り越して真っ赤にして悶える姿は、なんだかいけない事をしてるみたいで正直興奮する。薬研かわいい。
「いい加減、に…」
「こら、そんな怖い顔しちゃだぁめ」
「なん…く、ぁ…!」
め、と年上ぶった口調で咎めれば、薬研が何か言いたげに口を開いたので間髪入れず刀の先端をちゅう、と吸い上げる。
どうやら本体への刺激は相当強いものらしく、目を見開いて荒い呼吸を繰り返すその口元からはだらしなく涎が垂れていた。
「ふふ、薬研すっごいやらしー…」
「たいしょぉ…」
「ん?なぁに?」
「キス、したい」
とろりと溶けてしまいそうなほど甘い声で呼ばれて、きゅんと下腹部が疼く。
しょうがないなぁなんて、あくまで表面上は余裕を持たせて私は薬研に近づいた。
しっとりと汗ばんだ頬に手を添えて、焦らすようにゆっくりと唇を近づける。もう触れるか触れないか、という距離まで近づいたその瞬間。

バシッ

「わっ、んんんっ!?」
刀を持っていた手を叩かれて、急な衝撃に手を離してしまう。
まずいと思った時には目の前の人物に強引に口を塞がれ背中を畳に押しつけられた。
「ふ、ん、んーっ!!」
私の上に伸しかかった薬研に強引に歯列をなぞられ舌を絡めとられる。抵抗しようにもいつの間にか掴まれた腕は一つに束ねて頭上で押さえつけられていて、一体その細い腕のどこにそんな力があるのかと疑問になるくらい少しも動かす事はできなかった。
「ぷは!!や、薬研が騙した…!」
「……名前……」
私の名前を呼ぶ薬研の纏う雰囲気がめちゃくちゃ怒ってるのを感じてひっ、と喉を引き攣らせる。やばい、これはやばい。どれくらいやばいかっていうと、この間後ろから五虎退ちゃんを驚かせてうっかり泣かせちゃった時の一期の顔くらいやばい。
「ややややややげん?落ち着こう、ね、あの、ちょっとした悪戯心が!」
私が調子に乗ってましたごめんなさい!
「……どっちがやらしーのか、しっかり確認しないとなぁ?」
にやり。
まだ顔は赤いものの、余裕を取り戻した薬研の悪そうな笑顔にさっと血の気が引く。
まってまって話せばわかる!
そんな私の台詞は薬研の唇によって塞がれてしまい、言葉になることはなかった。