兄との決別の記憶
絵美が初めてを捧げた夜の次の日もザンザスは彼女を抱いた。
初めての日と異なり、慣れた彼女は痛がらず快感に酔いしれた。
それに気を良くしたのか、絵美の仕事は4勝した後だからなのか、ザンザスは彼女の直属の上司であるレヴィの対戦時に、絵美を抱き潰した。
行為を終え絵美が疲れて眠っている頃、ザンザスは雷の守護者戦に顔を出していた。
絵美は懐かしい夢を見た。
「おふくろは親父に殺されたんだ!!チビの時に会ったあのお姉さんが俺達のおふくろだったんだ!!」
「え…?」
絵美は状況が飲み込めなかった。
隼人が嘘をついているようには見えず、余計に困惑した。
「俺はこんな家出てやる!絵美、お前はどうする!?」
「え……待って!それ誰から聞いたの?」
「使用人だ!噂話してるのを聞いた!」
「お父様から聞いたわけではないの?」
「殺した本人に聞いたって殺してないって答えるに決まってんだろ!でも、わかった。迷うんなら俺はお前を連れて行かない。ここにいた方が安全だからな!女のお前はその方が良い!!」
「まっ…待って!隼人!」
「あばよ!絵美!お前はお前で好きな道を生きろよ!」
絵美は頭の中がぐるぐるして、目眩がした。
愛する父親が愛する母親を実は裏切っていて、しかも本当に血の繋がった母親は父親の手によって消されているなどと、そんな事実は受け入れ難かった。
それでも何とか思考して、次の行動を2択まで絞った。
隼人を追いかけるべきか、父親に真実を問い正すべきか。
絵美は後者を選んだ。
片手の甲で額を抑えながら、父親を探した。
彼はビアンキと共にいた。
「お、お父様……」
「絵美、どうしたんだ?」
心配そうに尋ねてくる父に対して、彼女は大声でストレートに質問した。
彼の隣には正妻の娘であるビアンキや、父の部下達、使用人達がいるにも関わらず。
8歳の彼女にはそれが悪手だとはわからなかった。
「わ、私と隼人が、お母様の子じゃないって本当ですか?お父様が私達の本当のお母様を殺したって本当ですか?」
「っ!?」
彼女の父親はあからさまに動揺した。
彼は否定しなかった。
それもあらゆる意味で悪手だった。
「それは誰から聞いたんだ!?」
絵美の両肩を掴み、彼はそう尋ねた。
「隼人が……隼人がそう言ってて…」
「隼人が!?隼人はどこだ!?」
「お父様、探してきます。」
絵美の質問への回答を避けて、息子の所在を尋ねた父にビアンキはそう返した。
彼女は冷静だった。
少なくとも絵美はそう思った。
絵美の父親の部下達や使用人達も巻き込んで、隼人の大捜索が始まった。
隼人の家出は初めてではないので、ビアンキと、そしてビアンキに半ば引き摺られるように連れて来られた絵美は隼人に追いついた。
しかし 。
「行かないで、隼人!」
「こんなところにいられっかよ!こんな……おふくろを殺した家によ!!!」
「隼人ぉーーーーーーっ!」
いつもは強引に隼人を捕まえるビアンキが、この時だけはただ追い縋ることしかできず、彼を逃したのだった。
そして彼女は泣いた。
絵美が1度だけ見たことのある姉の涙だった。
絵美は目を覚まして、自分が涙を流している事に気付いた。
夢見が悪かったせいか、頭が痛んだ。
辺りを見回すと、部屋にザンザスがいないことに気付いた。
ぼうっとする頭を片手で抑えながら絵美は起き上がり、ベッドの縁に座って、雑に床に落としていた下着を身に付けた。
そのタイミングでザンザスが部屋に入ってきた。
「……ボス」
「明日は嵐だ。」
「嵐?……ああ、ベルさんと隼人が戦うんですね。」
「随分と顔色が悪いな。」
「夢見が悪くて……任務に支障はありません。」
「ベルが始末損ねた時はわかってるだろうな?」
ザンザスに本当に身内を殺せるのか疑われているのだと察した絵美は、少しだけ頭の中がクリアになった気がした。
「もちろんです。問題なく殺せます。」
「本当に情はないのか?」
「ないわけではないですよ。でも私は自分自身が1番可愛くて、自分の命が最優先なんです。だから抹殺対象は全員殺します。」
「テメェの兄妹が情に絆されて、テメェの為に大人しく死を受け入れてもか?」
「もちろんです。身内だからって手加減するようなら、この世界で生きていく資格がそもそもないんです。」
「最もだな。」
全ての質問に絵美は躊躇うことなく答えた。
「俺は休む。テメェも好きなようにしろ。」
「わかりました。」
ザンザスはベッドに寝転んだ。
絵美は他にも床に落ちている服を拾って、脱衣所へと向かった。
初めての日と異なり、慣れた彼女は痛がらず快感に酔いしれた。
それに気を良くしたのか、絵美の仕事は4勝した後だからなのか、ザンザスは彼女の直属の上司であるレヴィの対戦時に、絵美を抱き潰した。
行為を終え絵美が疲れて眠っている頃、ザンザスは雷の守護者戦に顔を出していた。
絵美は懐かしい夢を見た。
× × × × × × × × × × ×
「おふくろは親父に殺されたんだ!!チビの時に会ったあのお姉さんが俺達のおふくろだったんだ!!」
「え…?」
絵美は状況が飲み込めなかった。
隼人が嘘をついているようには見えず、余計に困惑した。
「俺はこんな家出てやる!絵美、お前はどうする!?」
「え……待って!それ誰から聞いたの?」
「使用人だ!噂話してるのを聞いた!」
「お父様から聞いたわけではないの?」
「殺した本人に聞いたって殺してないって答えるに決まってんだろ!でも、わかった。迷うんなら俺はお前を連れて行かない。ここにいた方が安全だからな!女のお前はその方が良い!!」
「まっ…待って!隼人!」
「あばよ!絵美!お前はお前で好きな道を生きろよ!」
絵美は頭の中がぐるぐるして、目眩がした。
愛する父親が愛する母親を実は裏切っていて、しかも本当に血の繋がった母親は父親の手によって消されているなどと、そんな事実は受け入れ難かった。
それでも何とか思考して、次の行動を2択まで絞った。
隼人を追いかけるべきか、父親に真実を問い正すべきか。
絵美は後者を選んだ。
片手の甲で額を抑えながら、父親を探した。
彼はビアンキと共にいた。
「お、お父様……」
「絵美、どうしたんだ?」
心配そうに尋ねてくる父に対して、彼女は大声でストレートに質問した。
彼の隣には正妻の娘であるビアンキや、父の部下達、使用人達がいるにも関わらず。
8歳の彼女にはそれが悪手だとはわからなかった。
「わ、私と隼人が、お母様の子じゃないって本当ですか?お父様が私達の本当のお母様を殺したって本当ですか?」
「っ!?」
彼女の父親はあからさまに動揺した。
彼は否定しなかった。
それもあらゆる意味で悪手だった。
「それは誰から聞いたんだ!?」
絵美の両肩を掴み、彼はそう尋ねた。
「隼人が……隼人がそう言ってて…」
「隼人が!?隼人はどこだ!?」
「お父様、探してきます。」
絵美の質問への回答を避けて、息子の所在を尋ねた父にビアンキはそう返した。
彼女は冷静だった。
少なくとも絵美はそう思った。
絵美の父親の部下達や使用人達も巻き込んで、隼人の大捜索が始まった。
隼人の家出は初めてではないので、ビアンキと、そしてビアンキに半ば引き摺られるように連れて来られた絵美は隼人に追いついた。
しかし
「行かないで、隼人!」
「こんなところにいられっかよ!こんな……おふくろを殺した家によ!!!」
「隼人ぉーーーーーーっ!」
いつもは強引に隼人を捕まえるビアンキが、この時だけはただ追い縋ることしかできず、彼を逃したのだった。
そして彼女は泣いた。
絵美が1度だけ見たことのある姉の涙だった。
× × × × × × × × × × ×
絵美は目を覚まして、自分が涙を流している事に気付いた。
夢見が悪かったせいか、頭が痛んだ。
辺りを見回すと、部屋にザンザスがいないことに気付いた。
ぼうっとする頭を片手で抑えながら絵美は起き上がり、ベッドの縁に座って、雑に床に落としていた下着を身に付けた。
そのタイミングでザンザスが部屋に入ってきた。
「……ボス」
「明日は嵐だ。」
「嵐?……ああ、ベルさんと隼人が戦うんですね。」
「随分と顔色が悪いな。」
「夢見が悪くて……任務に支障はありません。」
「ベルが始末損ねた時はわかってるだろうな?」
ザンザスに本当に身内を殺せるのか疑われているのだと察した絵美は、少しだけ頭の中がクリアになった気がした。
「もちろんです。問題なく殺せます。」
「本当に情はないのか?」
「ないわけではないですよ。でも私は自分自身が1番可愛くて、自分の命が最優先なんです。だから抹殺対象は全員殺します。」
「テメェの兄妹が情に絆されて、テメェの為に大人しく死を受け入れてもか?」
「もちろんです。身内だからって手加減するようなら、この世界で生きていく資格がそもそもないんです。」
「最もだな。」
全ての質問に絵美は躊躇うことなく答えた。
「俺は休む。テメェも好きなようにしろ。」
「わかりました。」
ザンザスはベッドに寝転んだ。
絵美は他にも床に落ちている服を拾って、脱衣所へと向かった。
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