13話

『さて、じゃあ私は夕飯の準備してくるね』


「あ、俺手伝うぜ!」


『え、いいの?一郎くん』


私がそういって背を向けると、一郎くんが着いてくる


「あぁ、世話になるんだから当然だろ?」


にかっと笑う一郎くん


『あ、ありがとう…これだけの人数の量を一人で作るのは大変だと思ってたんだ』


と苦笑すると、


「僕も手伝いましょう」


と一二三が驚きの提案を…


『…え、だって伊弉冉さん女性恐怖症…』


「スーツを着ていれば大丈夫ですよ、子猫ちゃん」


「おいこら一二三!江藤さんを口説くな!手をとるな!すみません!すみません…!」


一二三がキラキラスマイルでそう言って私の手を取ると、慌てて独歩が仲裁に入る


『あ、あはは…』


そっか、一二三ってスーツなしだと女性恐怖症だけどスーツを着ると女性好きになるんだっけ…?

なんて思い出しながら、


『じゃあお願いしますね』


と笑った


「はい、勿論です」


『それじゃあ、三人でキッチンへいきましょう』


二人をつれてキッチンへと向かった







━〜キッチンにて


「へぇ、結構広いんだな」


『うん、一人暮らしにしてはね』


今日ほど広くていいと思った日はないよ…


『メニューは何にしようかなぁ…観音坂さんが好きだから、焼き鮭は確定だとして…』


「良く知っていますね?」


と一二三が目をぱちくりさせる


『それは、さっき言った通りなの。全部が全部じゃないけど』


と苦笑する


『後は何にしようかなぁ…』


「1日目だし、人数が多いから無難にカレーとかシチューとかどうよ?」


『あ、いいね!』


一郎くんの意見に賛同する


「僕も賛成です」


『それにサラダをつけようか?』


「ええ」


『よし、決まりだね!取りかかろう!』


私が腕捲りをしようとすると、ポンと肩に手を置かれ…


『はい?』


「みのりさんはサラダをお願いしてもいいか?」


「カレーと焼き鮭は僕たちで作るので。…あぁ、冷蔵庫、開けてもいいですか?」


『え?あ、構いませんけど…』


…なぜ?


疑問が顔に出ていたのか、一郎くんが笑う


「料理だって、こんだけ人数いたら力仕事だろ。たまに手伝ってくれればいいって」


『そんな…』


不服そうにしていると


「そんな顔をしないでください。男として、女性に辛い思いはさせられないだけですから」 


とかわされた…



晩御飯作り

(よって、ほぼ一郎くんと一二三によって夕飯は作られた)