6話
『さて、そうと決まれば早速買い物です。皆さんの身の回りのもの買いに行きますよ!』
そう言って立ち上がる。
「…本当にすまないね」
そう言って寂雷さんが立ち上がると他の人も立ち上がり始める。
『あ、行っておきますけどみんなでは行かないですよ?ただでさえ目立つんですから』
そう言うと、みんなが顔を見合わせる。
『そうですね、各ディビジョンから一人ずつでお願いします。準備してくるので決めておいてくださいねー』
そう言うと私はヒラヒラと手を振って部屋に戻った。
山田一郎視点
…パタン、と扉が締まるのを見ると、寂雷さんが呟く
「…本当に、困ったことになってしまいましたね…」
「そッスね…」
同意すると、他のメンバーからも(左馬刻以外)から同意の声がちらほら聞こえる。
「…にしても、不思議な人ッスね」
「?…あぁ、江藤さんですか?」
「あぁ」
三郎がうなずいてくれるのを見てうなずき返す
「いきなり現れたら俺らに、焦ることもなく普通に対応してくれただろ?」
「確かに、あんまり慌てた様子はなかったね」
「ッス」
「それより、いくメンバーを決めなくていいんですか?」
夢野さんが言ったのをきっかけに、各々が考え込む
「俺は行っても良いぜ」
「いいんですか?帝統」
「おう、ここに置いてくれるんだしな、それに俺らの荷物だろ?荷物もちくらいしねぇとな」
「それは珍しいですね…」
「えー!僕もオネーサンと遊びたい!」
「乱数、遊びに行くんじゃないんですよ?」
「わかってるよー!」
…乱数たちは賑やかだな。乱数たちを横目に見つつ、二郎と三郎に言う
「イケブクロからは俺がいく。お前らは留守番しとけ」
「「え!?どうして!?」」
「どうしても何もねぇだろ、こんな何処かもわからねぇ所に大事な弟たちを行かせられるか」
「一兄…」
「兄ちゃん…」
「いいな?」
「うん、わかったよ!」
「しっかり留守番しておきますね!」
「おう」
その返事を聞いて笑みを溢す
後は…
「ヨコハマからは私が行きます」
「…まぁ、それが妥当だろうな」
「左馬刻では何があるかわかりませんからね。理鶯は左馬刻の見張りをしておいてください」
「あぁ、わかった」
「さて、私たちシンジュクからは誰が行こうか」
「…先生、俺が行きます。一二三は女性恐怖性なので、一人にしておけないですから、先生がついててやってください」
「おや、いいのかい?」
「はい。お願いします」
「…さて、全員決まったな」
俺がそう呟くと、扉がノックされた
「はい?」
『あ、入ってもいいですか?』
「大丈夫っす」
そう返すとカチャリと扉が開いて着替えた江藤さんが出てきた
『いくメンバー、決まりました?』
「はい、俺と、有栖川さん、入間さん、観音坂さんです」
『わかりました。それじゃあ、これを羽織ってきてもらえますか?』
そう言って差し出されたのは大きなジャケットだった
『その格好じゃ目立つので』
「…なるほど」
『それじゃあ行きますよ』
そう言って彼女は踵を返した
買い物
(荷物多くなりそうだな…)