7話

「何処へ行くんです?」

『んー…近所のスーパーだと、布団がないので、電車にのって少し先のデパートまで行きましょうか』

「…すんません」

しゅんとなる一郎くんに、苦笑して言う

『そんな申し訳なさそうな顔しないでください。それに、これから一緒に暮らすんだし敬語もなしで良いですよ』

そう言うと、一郎くんは少し考えこんだあと言った

「わかった、その代わり、江藤さんも敬語はやめてくれねぇか」

『!…いいの?』

「勿論だ」

そう言ってニカッと笑う彼に、私も笑えた

『じゃあ改めて宜しくね、一郎くん』

「あぁ」

「…あのー、良い雰囲気のところ申し訳ねぇんだけどよ、俺たちを置いてかねぇでくれねぇか」

『大丈夫、忘れてませんよ』

と帝統に笑顔を向ける

「ならいいんだけどよ…」

『大丈夫、こんな見知らぬ土地にあなたたちだけ残して帰るほど残忍じゃありませんから』

「いや、そう言うことをいってるんじゃなくな…」

『…?』

やけに帝統の口調がおかしい

『…有栖川さん、どうかしました?』

「?なんでだよ」

『…なんか、不安そう…』

「!」

思ったことをいうと、帝統が驚いた顔をする

『…あ、ギャンブルならこの世界にもありますけど、あまりはまりすぎないでくださいね』

「!!おうっ!」

そう言うと急に帝統の目が輝く。

流石帝統だ



距離が縮む

(後は…)