支援者H

*一二三視点




“俺は一人でも歩けるよ”


それが独歩の口癖だった。 

昔から独歩は俺一人で生きていける、みたいな奴だったし、例のハゲ課長から仕事を押し付けられても、文句は言いつつも仕方なくやってやるようなやつだった。

…でも、そんなのさびしーじゃん!

ってことで、俺っちは独歩にうざいほど絡んでた。

独歩自身も、色々文句を言いつつも、俺っちが困っていると、助けてくれる、俺達はマジで親友だった。 

だから俺は、独歩に心の拠り所ができればいいなって思ってたんだ。





「ひ、一二三、俺、好きな人ができたかもしれない…!」

「え、マジで!?」

だから、この話を聞いたとき、俺っちは凄く嬉しかったんだぜ?

「なーなー、好きなら告っちまえよー」

「う、うるさい。俺はお前と違うんだよ」

「でも、その例のカノジョちゃんが他の男に取られちまったら嫌だろ?」

「うぐっ…そ、れは………絶対に嫌だ」

こう見えて独歩は、凄い独占欲強いんだよなぁ。

だから、俺っちがカノジョちゃんの名前おせーて!って言ったときも、断固拒否する。の一択だったもんなぁ…






「…!あ、江藤さん…」

「ん?独歩、どーした?」

ある日、独歩と歩いてたら突然独歩が止まった。

独歩の視線の先には、…げ、オンナノコと、その子に絡む男。

…ん?独歩のこの反応からして、もしかてして…

「もしかして、あの子がカノジョちゃん?」

「まだカノジョまで行ってないけど…そうだ。なんで…なんで二人で…」

あーあ、独歩ってば…

よし!ここは俺が人肌脱いでやりますか!

「ほーら!独歩行ってこい!」

俺がぐいぐいと背中を押すと、明らかに動揺する独歩

「な、なんでだよ…あの二人、付き合ってるかもしれないのに…」

「よく見てみ?付き合ってる二人があんなにビミョイ雰囲気出すか?」

「…確かに」

「だからほら!お前が行って助けて来い!」

「え…」

お前はどうするんだよ、といいたげな視線に、

「後でちゃんと報告しろよ!」

と言ってにかっと笑うと、俺っちは自宅へと帰った。


さて、あの二人は結ばれたのか、頼むぜ独歩ぉ〜






支援者H

(お前の幸せは俺っちの幸せだから)