ハッピーサプライズ!

「乱数ちゃーん」


「はいはーい」


今日もボクはシブヤの街を歩く。

歩くと寄ってくるオネーサン達。

でもボクが来て欲しいのはキミタチじゃないんだよね。

「ねぇ乱数ちゃん!こっち向いてよぉ!」

「もぉ!オネーサンってば欲張りなんだからぁ!」

…あ

いた

『…!』

ボクの、ボクだけのオネーサン。

「あー、ごめんねぇ、ちょっぴ用事できちゃったぁ!まったねぇ!」


「もぉ!また遊んでねぇ!」


「ばいばーい!」


オネーサン達に手を振って、みのりオネーサンの横を通る際に、カノジョの手を引いて歩く


『え…!?』


「えっへへ〜」


『飴村さん!?』


「ちょっと来てね〜」


やっと来てくれた。

やっと。

やっと。

キミのこと、ずっと待ってたんだから。



みのりちゃんの手を引いてボクの部屋に入る


「はい、上がってね〜」


『えっ?お、お邪魔します…』


「もぉ〜、男の部屋になんのギモンもなく上がっちゃうなんて、もー、めっ、だよぉー?」


『えっ?だ、だって…飴村さんなら、大丈夫…です、よね?』


「ボクだって男だよ…?」


みのりちゃんをその場に押し倒して見せる


…これで少しは意識するかな?


「…なーんちゃってねっ!ほら、あがったあがった!」


『…あ、飴村さん…』


もぉ、顔を真っ赤にして可愛いんだから…


でも、目的を果たさないとね


「ハイ、服脱いで?」


『えっ…!?』


ふふ、誤解してる誤解してる!


「ふふ、もー、誤解だよお!採寸!みのりちゃんの服をデザインさせてほしくて。…ね?」


これはボクなりのサプライズ。

「もうすぐ付き合って一年の記念日でしょ?だから。…だめ?」


小首を傾げると、カノジョは目を潤ませてからコクンと頷いた。


ハッピーサプライズ!

(サプライズするなら驚かせないと!)