「おはよー!夜魔!!」
「おはよう、三奈ちゃん!」
「ねね、夜魔も声かけられた?」
「声?」
「体育祭で知られただろ?俺なんか知らない小学生にドンマイコールされたんだぜ?」
「あはははは!!まぁ瀬呂くんはもうドンマイコールの人だもんね。」
「クッソー……。」
「それで美悪ちゃんは声かけられたの?」
「いや?」
「「「え?」」」
「なんでだよ?夜魔すげぇ活躍したじゃん!3位だろ!?」
「それはそうなんだけど……うちの家系あるあるで、」
少しだけ個性を発現させると同時に逆立った髪と右目付近に入ったヒビ。
「こっちの姿で覚えられちゃうから、普段の姿だと気づかれないんだよねぇ……。」
納得する皆。……私も皆みたいに声掛けられたかったなぁ。個性を解除して席へと向かう。
「授業始めるぞ。」
すると入ってきた相澤先生。
「今日のヒーロー情報学は少し特別なことをやる。」
特別……!?な、何。小テストとか!?無理無理、勉強してない!!
「…………コードネーム、所謂ヒーロー名を考案してもらう。」
ヒーロー名!!!
◇
「体育祭の結果を踏まえて、お前らに指名が来ている。その結果がこれだ。」
そう言って相澤先生が見せたモニターには轟くんが1位でかっちゃんが2位、そして少しだけ差がついて夜魔さん。そこからは更に差がついて飯田くんや麗日さんなど多くの人達が連なった。
…………僕は、ゼロかぁ。
「例年もう少しバラけるんだが、今年は3人に集中した。……これらを踏まえてお前たちには指名の有無関係なく職場体験へ行ってもらう。」
職場体験?
職場体験の概要を聞き、その為にヒーロー名が必要なのだと理解する。ヒーロー名か……。
「でも適当に付けたら駄目だよ!!学生時代につけたヒーロー名が広まって、プロになってから後悔してる人結構いるからね!」
「「「ミッドナイト!!」」」
「その辺のセンスとか色々ミッドナイトさんに見てもらう、俺はそういうの苦手だからな。」
そう言うと寝袋に入って眠ってしまった相澤先生。回されてきた真っ白なボードに頭の中も真っ白になる。
ヒーロー名……ヒーロー名………………どうしよう。
悩んでいる間に時間は過ぎて、
「じゃあ出来た人から発表してね!」
まさかの発表形式!!?ど、どうしよう…………。
なんて考えていると発表した青山くん。た、短文……。
それに続いた芦戸さんになんとも大喜利的な雰囲気が漂ってしまう。
まだ書けてもいないけど、とてもじゃないが発表出来る雰囲気じゃない……!!
「じゃあ私良いかしら、」
そう言って前に出たのは蛙水さん。
「小学生の頃から決めていたの。梅雨入りヒーローFROPPY!」
「か、かわいー!!いいわねぇ!!」
フロッピーありがとう……!!雰囲気が和らぎ、幾分か発表もしやすくなった。……しかしながら浮かばないのは変わらずで、ペンは中々走らない。
どうしよう、どうしよう……そう考えている内にどんどん皆は発表していく。
「発表します!」
次に前に出てきたのは夜魔さん。
「デビルヒーロー、ナイトメア!!」
「良いじゃない!!デビルヒーロー!!」
そうだよな、夜魔さんや蛙水さんは個性そのもの何かをモチーフにしてるから考えやすいよな…………。
僕の場合は言ってしまえばパワー増強。………………うーーーん。
悩みに悩んでつけた名は、入学当初言って貰えた言葉を乗せた名前となった。