休日

「いつまで寝とるつもりだ美悪!!」


「……………………おはよう、ばあちゃん。」


「おはよう。今何時だと思う?」


「…………8時?」


「残念、12時だ。早く起きろ!!」


「ぎゃっ。」


ベッドから引きずり降ろされ頭を強打。こりゃ細胞が大量に死滅したな。また馬鹿になった気がする。


体育祭の翌日、今日は振替休日だ。昨日は散々個性使って疲れたし沢山寝たかったのに。


「休みの日こそ、鍛錬を欠かすな!!午前寝過ごした分昼から取り戻せ!」


で、……ですよねー……。





「良いか?お前の兄さんは1年の体育祭時点でシュトリの会得が出来ていた。勿論体育祭でもシュトリとサタン、両方を使って活躍したのだ。…………しかし美悪、まだお前はサタンしか使えておらん。」


がみがみ。いつも言われるお話だ、兄ちゃんの方が優秀でシュトリも早く使えるようになっていたと。


「……わかってるよ、少しは焦ってる。」


シュトリ、と言うのはサタンがオールラウンダーならばパワーに偏った形態だ。もう1つハルファスというのもあって、これはスピードに偏った形態。


どちらも私はまだ安定して扱えない、とは言ってもうちの家系は基本的にはサタンしか使えなかったり、母さんのように何か1つしか会得出来ない事ばかりだ。


ばあちゃんと兄ちゃんが特殊なのだ、ばあちゃんは家系史上初のサタン、シュトリ、ハルファス。全てを使えるようになった人なのだ。


そして兄はサタン、シュトリ、アレグリアという元々家系内での発現の可能性はあったが、ばあちゃんも使えなかったシュトリの上を行くパワー系形態を会得している。


でもただ2人だけ。たった2人だけ。…………私おかしくないよなぁ。


とは言え発現が完全に出来ない、というわけでもなく数秒ならシュトリもハルファスも扱えた。しかし安定が出来ない。


それを今も尚ばあちゃんには鍛錬不足だ!と怒られている、正直私も母さんみたいに1つしか発現出来なかったら良かったのに……なんてことは星の数ほど思った。


しかし出来てしまったものは仕方が無い、今日も厳しく飛ぶばあちゃんの声とともに人間を辞めるのだ。





「……うん、少しはマシになって来たな。流石雄英、今も尚厳しく生徒達を鍛えてくれているようだ。」


満足気に微笑んだばあちゃんを見て、やっと一息つく。


確かにばあちゃんの言う通り、持続時間が確実に伸びている。それに威力だって上がっているし、思うがままに操れた一瞬もあった。


……ちゃんと、成長してる。


「……ばあちゃん、もう1回!!」


意識を集中させ、シュトリを纏う。


「……あぁ、かかっておいで。」


ばあちゃんは完成されたシュトリを纏って私に笑った。

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