「そっか、夜嵐くんとそんな事が……。」
「……俺はまだまだ未熟だ、親父のことになるとすぐ頭に血上っちまう。」
はぁ……と憂いを帯びた瞳で溜息をついた轟くん。世の女子達から黄色い歓声でも聞こえそうだ。
「でも、仲直り出来たんだよね?」
「…………まぁ、それっぽい事は。」
「なら良かったね、これから補講でも一緒になるだろうし少しずつ仲良くなれれば!」
「別に仲良くなる必要は……って、言い忘れてた。」
「うん?」
「合格おめでとう、……お前が受かってて心底安心した。」
そう言って轟くんは、優しく笑った。うっ……イケメン…………かっこよ……。
「あ、ありがとう!私もベッドから起きた時は落ちたのでは、とヒヤってしたよ。」
「だよな……良かった、本当に。」
「それにしてもこれからあの異常者……爆豪くんと補講に通うんだよね?大丈夫?」
私が言うのもなんだが、2人の仲は良いとは思えない。と言うか爆豪くんが一方的に噛み付いてる感じ。
そんな彼と中々に高い頻度で同じ時を過ごすなんて、ある意味地獄では?と思ってしまうが。
「大丈夫……?まぁ大丈夫だろ。」
本当かな???
◇
「おらぁ!!さっさと部屋のゴミ持ってこいやぁあ!!!」
「あ、ゴミ収集車さーん。これお願いします!」
「んぐぐぐぐぐ…………。」
自分で呼びかけたくせにゴミ渡すとキレかけるって何事??
無事仮免を取得し、二学期を迎えた訳だが昨晩何やら緑谷くんと爆豪くんは大喧嘩でもしたらしく、相澤先生より謹慎が言い渡された。
ゴミ収集車も罰の1つで、あの爆豪くんが。あの!!爆豪くんがまさかのゴミを回収していてとても面白い。それはもうとてもとても。
「おい……夜魔…………笑ってんの見えてんぞ……?」
「いや……無理……面白すぎるじゃん…………!!」
「あぁ……また美悪ちゃんが爆豪くん煽っとる。」
「今日も平和ね。」
「ほれほれ、爆豪くん。ここに埃がついてますよ?」
「く、……そ、……がぁあああ!!!!」
「あひゃひゃひゃひゃ!!!」
「完全に笑い方が悪魔やね。」
「個性悪魔だものね。」
「てめぇ……次の訓練で当たったら覚えとけよ…………?」
「もはや顔が凶悪犯だよ爆豪くん。」
「あぁあ!!!?」
「尚も煽る美悪ちゃん…………そしてそんな二人を見て、」
「……轟ちゃんが少しだけ羨ましそうにする、いつも通りね。」
◇
「インターンですか?」
「あぁ、お前に指名が来てる。」
「本当ですか!?」
わああい!!と素直に喜ぶ。お茶子ちゃんと梅雨ちゃんは波動先輩と一緒にだし、緑谷くんや切島くん、常闇くんもどうやらインターン先が決まっていて羨ましく思っていたところだ。
「ど、どこのヒーローですか!?」
「ルシファーヒーロー事務所だ。」
「…………………………………………ん?」
「ルシファーヒーロー事務所。」
「………………。」
ばあちゃんじゃねぇかっ…………!!!
上がったテンションが急降下。なんだそりゃ、キレそう。
「まぁそう落ち込むな、あくまでルシファーさんはお前の事を孫としてじゃなく、ヒーローの卵として指名してるだろうさ。」
「……ヒーローの卵。」
「そうだ、あの人のことは俺が言わずともわかってると思うが……凄い人だ、前線を退いた今も警察などと連携しその力を奮っている。」
「……はい。」
「仮免を取った今こそ学ぶことは山ほどあるはずだ。」
「…はい。」
「頑張ってこい、夜魔。」
「…………はい!」