「す、ストーカー」
「違う!断じて違う!△△は、オレにお菓子くれた事があった」

お菓子?たしかにお菓子作りは好きだ。けどまさかブラックにあげたことなんてあるわけない。せいぜい同室の友達か、先生たちくらいだ。
首を傾げたままの私を見ていて彼はなにかに気づいたようにハッとして手を口に当てた。わかりやすすぎる。言ってはいけないことだったんだろうか。

「わたし、あなたにお菓子あげてことない」
「いや、でも、食ったんだよ。それがすごく美味くて、作った△△にも興味がわいたんだ」

マドレーヌ、と小声で言う彼がちょっと面白くて笑ってしまった。
この笑いを何故か好意だと受け取ったらしく、ブラックはその後ずっとスキップしていた。

この時のお菓子は同室の子にあげたお菓子がルーピンにまわり、それを奪ったブラックが食べたというのが真相だったらしいが、それを聞くのはだいぶ先のことなのである。



fin.
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