バシッ、よく晴れた日に私はとある教会の前へ姿現しをした。
何度この呪文を使っても気分が悪くなる。かばんから水を取り出し口に含むが浮遊感は抜けきらない。
そして、気分が悪いながらも小走りで彼女と彼を探す。ようやく見つけた。

「久しぶり。リリー、ジェームズ。今まで来てなかったこと、許して」

持ってきた花束をひとまず地面に置いて、しゃがむ。久しぶりに対面した2人は石の中に入っていた。

とっくにわたし、マリアキャンベルはホグワーツを卒業していた。いまは癒者として聖マンゴ魔法疾患傷害病院で働いている。

私が癒者になったと聞いたらこの2人はどんな反応をするだろう。リリーは素直に喜んでくれそうだけど、ジェームズは...君がかい?不安しかないなあ、とか言いそうだ。

しかし、冷たい石を撫でてもあの頃のように2人は口を開いてはくれない。分かっていたことなのに、悲しさ、やりきれなさがあふれる。
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