夜明けの病室



あれからのスネイプは見るに堪えないものだった。
ポッターが必ず絡んでいる、そう叫びまわり、大臣もその剣幕には怯えとあきれが混じった表情を浮かべていたほどだ。
結局はダンブルドア、マダムポンフリー、そして私がなんとか彼らはベッドから離れていなかったと説得することによってふらふらと部屋を出て行った。

「あの男、どうも精神不安定じゃないかね。わたしが君の立場なら、ダンブルドア、目を離さないようにするがね」
「いや、不安定なのではない。ただ、ひどく絶望して、打ちのめされておるだけじゃ」

しかしながらいいこともあった。
ブラックがいなくなったことによってディメンターが学校から引き上げられたことだ。
生徒にまでキスを実行することに対してさすがの大臣もこのまま学校に残しておくのは適切ではないと感じたようだ。
やつらがいることによってどこか陰鬱だったホグワーツもこれで元に戻るはず。

それが昨日の晩のこと。
今私は夜が明けたばかりで薄暗い校舎の中、一度は離れた医務室の前に来ていた。
太陽が出てきていないのでまだひやりとする冷たい空気にぶるりと身体を震わせる。
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