これまで彼が人狼として暴れた瞬間を見たことはない。この1年必ず薬を飲んでいたから。
だから、どれだけ傷ついているのか、もう完全に元の人の姿に戻っているのか。意識はあるのか。
それを確認して私と彼の違いを認識してしまうのが怖い。
ドアに手をやったまましばらく固まっていると、人の気配を感じたのかマダムポンフリーがやってきた。
「ああ、パーヴィスでしたか。ルーピンを見舞いにきたのですね」
ルーピン、というところだけ声を潜めた彼女に、うなずいて返す。
そろりと一緒に入った医務室にはウィーズリーが眠っている。彼は一瞬起きたときに怪我と、今の状況に混乱していたようだが、今は疲れ果てたのと薬が効いているようでぐっすりだ。
ウィーズリーのベッドを通り過ぎるとリーマスのベッドが見えてきた。
生徒たちにばれないようにと医務室のいちばん奥にあるそのベッドにはカーテンがきっちりと閉められており、認識阻害の呪文もかけられている。
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