「全生徒達を今から大広間に戻す。シリウス・ブラックがホグワーツに侵入したようじゃ」
いつになく焦ったダンブルドア。いま、シリウス・ブラックと言った?まわりから息を呑む声が聞こえた。
「グリフィンドール寮に侵入しようとして、拒んだ婦人を切り刻んだようじゃ。先生方は誘導と見回り、戸締りを大至急頼む」
どうやら冗談ではないとわかり、握る拳に力が入る。誰よりも早くわかりました、とだけ言うとミネルバはきびきびと大広間を出ていった。フィリウスも慌ててついていったので恐らく戸締りをしに行ったのだろう。
戸締りはふたりに任せておけば十分だろうと思い、見回りのためランタンを魔法で出す。ふと、その時なんとなく近くにいたリーマスを見てしまった。
「何故だ...」
呟いた声は小さくて私しか聞き取れなかっただろう。わなわなと肩を震わせ、彼はこれ以上なく顔を歪めて悲痛そうな表情を浮かべていた。
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