ダンブルドアが全生徒の寝袋を用意し、的確に主席や監督生に指示を出す一方、私達教師はどこかにいるかもしれないブラックを捜索していた。
「おかしなところはあったか」
「い、いえ、特には。2階はどこも荒らされた形跡はありません」
おそらく走り回っていたであろうスネイプはまったく息を切らしておらず、だが瞳の奥だけはギラギラと光っていた。
「おかしい、やつはどこへ...」
スネイプは私にそれだけ聞くとまたぶつぶつ言いながら元来た道を走って戻っていった。
思いつめた表情をしていたリーマスと、ブラックを捕まえたくて堪らないであろうスネイプ。
どちらも普段の様子とはかけ離れていてこちらが緊張してしまう。
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