はりつめた空気



「何故出てきてしまったんだ。大人しく罪を償ってくれればそれで良かったのに...。私はアイツを許せないが、心の底から憎むことも出来ない」

そんな自分が憎いんだ

そう言いながら、血が出そうなほど手を握りしめる。
今なんと答えたって薄っぺらくなる。リーマスがどれだけ苦しんできたかなんて、所詮数ヶ月前に知り合った私が理解できるはずはない。

けれど、自分を傷つけることはやめて欲しかった。きつく握りしめた手を、そっと自分の手で包む。触れた私の手にはじめはびくりと反応したが、やがて少しだけ握る力を緩めてくれた気がした。

「すまない」

しばらくして、リーマスが言った。落ち着いてきたのか握り締めていた手もだらんと脱力している。

「ううん、わたしも1人じゃ寝てしまいそうだったから」

そう返せばくしゃりと泣きそうな顔をしてリーマスは笑った。

結局この日ブラックは見つからず、翌日以降は通常授業となる。
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