観戦日和



土曜日。レイブンクロー対グリフィンドール戦の日だ。この日ばかりは生徒だけでなく先生たちだってどこかソワソワしている。
隣で朝食を食べているミネルバだってそうだ。

「楽しみね、ミネルバ」
「ええ。そうですね」
「ポッターはうまく飛べるかしら」
「ええ。そうですね…」

挨拶をしたときからこの調子である。よっぽど心配なのか眉間にしわを寄せてフォークを持つ手はかすかに震えている。
これはもう会話にならないと思いミネルバとは反対側に座るリーマスを見る。
相変わらずやつれてはいるが楽しそうにヨーグルトを口に運んでいる。

「ポッターの特別授業はうまくいったんですか?」
「うーん、まあ、そこそこかな」

言いよどんでいるのを見るに少しは進展があったということだろうか。それ以上はグリフィンドールのやる気になっているところに水を指してしまう気がして追求はしないことにした。

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