忍びの地図



何回目かのホグズミードの日の翌日。お昼だった。
朝にふくろうでリーマスから久しぶりにお茶でもどうかと連絡が来たのでクリスマスのときにもらったお茶を持って浮かれて行くと、予想外のことを告げられた。

「えっそれじゃあポッターはホグズミードに?」
「ああ。コレを使ってね」

いい香りのする紅茶を楽しんでいる場合ではない。

にわかには信じがたいことだった。なにせ、目の前にあるこの羊皮紙の切れっ端に城の抜け道が記されているのだというのだから。
できうる限り思いつく呪文を唱えてはみたものの、うんともすんともいわず、あいかわらず古ぼけた切れっ端のままだった。
諦めて杖をローブのポケットへしまい、リーマスをちらりとみるとにやりと笑って彼は羊皮紙を持つ。

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