優秀。
ここホグワーツにはミネルバやダンブルドア、フィリウスもだが私より多くの優秀な魔法使いがいる。だがリーマスはその人達に言った様子はない。にやけそうになった口元を引き締め、リーマスを見つめる。
「私よりももっと優秀な魔法使いはいますよ」
そう言って地図を彼の手に握らせると困ったように眉を下げられてしまった。だって、事実だ。私は臨時でここに来ただけの助手だし、実戦経験などないに等しい。
「うーん、君には伝えておきたいと思ったんだ。不思議と信頼できると、そう感じた」
ようやく答えてくれた彼もいつの間にか目線を地図から私へ向けていて、とても真剣な表情をしていた。
素直に、魔法使いとして、人として、好きな人に認めてもらっているということに不覚にも喜びを感じた。ローブの袖で隠した、にやけた口元がリーマスにバレてないといいけれど。
話の後にようやく本来の目的であるお茶会が再開されたが、全く口をつけていなかった紅茶はもう冷めきっていた。冷めていたって十分に美味しかったが、冷たい紅茶が体に染み渡るとともにポッターやブラックのことへの不安が広がっていっているような気がした。
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