そうして、話は初めに戻る。
私もそうだけれどジェームズさんはエバンズさんとスネイプさんが付き合っていることを信じてはいなかった。
でも、見てしまったのだ。
ふたりが前の友人の関係の時よりも近い距離で笑いあって話している仲睦まじい光景を。

ひとまずジェームズさんもふたりが付き合っている事実を認めたようで、私を変わりにしてくれると言ってくれた。
でも、私たちは寮こそ同じだけれど学年が違う。
せいぜい食事の時か談話室にいるときしか一緒になれない。
その上ジェームズさんはいつも、心ここに在らずだった。

「ジェームズさん、それ、課題ですか?」

授業が終わり談話室へ戻ってきた時だった。珍しく彼が一人で羊皮紙をテーブルに広げていた。
嬉しくなって駆け寄り、声をかけるも彼は羊皮紙を、というより空を見つめてなにか考え事をしているようだった。

付き合う


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