「ここ、違うんじゃない?」
羊皮紙を指さしながら私の持ってきた教科書をパラパラめくる。やがて開いたページには私が求めていた調合の解説が書かれていた。やはり、ジェームズさんはすごい。
「本当だ。ありがとうございます」
「いえいえ」
なんてことないさ。そう言ってジェームズさんはふわり、と微笑んだ。すごく幸せだ。そう思う。
けれど…結局私は1番にはなれないのだろうか。
唐突にこの場にいないエバンズさんにすごく悔しい感情をいだき、その勢いでそのまま、
「え、ベル」
軽く、頬にキスをした。このときだけは時が止まったような気がした。ゆっくりと彼を見る。案の定ジェームズさんはなんでという顔をしていて。
我に変わった私はとりあえずもてるだけのものをひっつかんで慌てて図書室を出た。彼は追いかけてこなかった。