「ちょっと、ベル。本当なの別れたって」
「…うん。そうだよ」

あんなに仲が良さそうだったじゃない、なんでまた。
そう言う友人の声が遠くに聞こえる。一昨日ジェームズさんから別れてくれと言われたところだというのに、全くどこから噂は流れ出すのか。私を見てこそこそ話をしたりどこか浮足立っている女子生徒たちを見るに、少なくともグリフィンドール生たちはもう知っているのだろう。

じろじろ見られるのが嫌でそそくさと談話室を通る。だがその間も友人からの質問は止まらない。いつ、だとかどうして、だとか。適当に受け流しながら一昨日を思い出す。
あのときどうしてですか、と聞いた。でも、ジェームズさんは答えてくれなかった。だから私がどうしての答えを知っているわけがない。もともと、私のわがままで付き合ってもらっていたようなものだったから拒否する気はなかった。

離れる


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