「呪文学の教室。今あいつもちょうどそこで掃除してる」
「そうなんですね」
「行かないのか」
「私は…ジェームズさんに振られた身で。もう、ただの」
ただの後輩。そう言えなかったのは今の自分の身分を認めたくなかったからだ。言いよどむ私を見て、やれやれとシリウスさんがこぼす。私だって、この気持ちを捨てられるならどんなに楽か。
「なんで俺たちが喧嘩したと思う?」
この問いかけに私が答えることもできず、更に黙り込むとやがて静かに、彼は答えを口にした。信じられるような答えじゃなかった。けれど彼は彼の目はまったくふざけてなんかいなかったのだ。
いてもたってもいられなくなって私は教室を飛び出して走った。
『ベルのことで、ジェームズは俺に怒ったんだよ』
どうしてなのか。教えて、ジェームズさん。