一本締め!
よーおっ、との掛け声でパン!と一発で決まった。
時刻は午後10時、少し早い解散時間ではあるが、明日仕事が入っているグループもあるし、何より未成年が居るのであまり遅くまで残らせてしまうのも、という判断である。
「燃えるごみの袋ってあるか?」
「給湯室の下の棚に……」
「空のペットボトルが入った袋はどこに置けばいいだろうか」
「そのままゴミ捨て場に持っていくので、玄関先に置いていただけると……」
「薫っちー、テーブル拭くやつあるっすか?」
「余った飲み物いる人じゃんけんしようか」
「じろー先生! テーブル畳むから手伝って!」
あとは裏方で片付けるので解散、と言ったのだが、みんなで片付けた方が早いだろ、との天道さんのお言葉によって事務所がみるみるうちに元通りになっていく。正直大変ありがたい。
「プロデューサー、学生組送るんだろ? さっさと行ってこいよ。あと俺たちで片付けるし」
「え、そんな、申し訳ないです」
「いいからいいから、まだ二次会の時間まで時間あるし」
ん?、という声が漏れる。伊瀬谷さんが、あっずるいっすオトナだけ!オレたちも行きたいっす!、との声を上げるが、山下さんのだーめ、大人になったらね、との言葉に阻まれる。対して私はそんな話を聞いて居なかったので、二次会あるんですか?、と頭にはてなマークである。
「天道……」
「悪い悪い、言ってなかったか?」
「もしかして名前さんこのあと何か予定ありますか……?」
「無いですけど……それって私参加してもいいものなんです……?」
「ぜひ! オレたちずっとそのつもりでしたし……」
そこの馬鹿が連絡を忘れていたがな、と桜庭さんの凍てついたコメントがぐさりと刺さってくる。天道さんが悪かったよ!、と言った。私がそういうことならぜひ、と返答すれば、決まりだな、と天道さんがにかりと笑う。
それじゃあ行ってきます、と車のキーを持って、学生組を引き連れて外に向かう。大人だけずるいよねー、俺たちも連れて行ってくれればいいのに、そんな声がわちゃわちゃと飛び交う。今日は遅いから無理ですけど、今度お昼にみんなで集まって騒ぐのもいいかもしれませんね、名残惜しそうにする彼らにそう言えば、それだ!、という声が重なる。今日のに対抗してプロデューサーとオレたちとで集まったら楽しいんじゃない?、どこで集まるの?、ドーナツ屋とか?、それハルナが行きたいだけじゃん、はいはい!オレ冬馬のカレー食べたい!、うちにそんな入んないぞ、えーじゃあ事務所ー?、ジュンっちの家!、要検討ですね、そんな声がまばらに聞こえてくる。
20180103
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