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「…っ…」


目覚まし時計を止めると、窓の外から鳥の声が聞こえてくる。なんてベタな朝だろう。
カーテンを開け日光を浴び、早く目を覚まそうとした時、昨日の事を思い出して慌てて携帯を開く。


『To 基山くん

あの後、全然話さないまま帰っちゃってごめんなさい。
自分の気持ちを知って、すごく恥ずかしくなって話せなくなっちゃったの。結果的に基山くんの事避ける形になってごめんね。
明日二人でお話したいので、10時に基山くん家の前に行きます。

From 海理』


「…夢じゃなくてよかった………」


水族館に行き、二人きりになってから告白をした俺。予想してた通り海理は鈍感ぷりを見事発揮したけど、「恋愛の好き」とちゃんと分かって、返事もくれた。

ただ、あの後恥ずかしくてお互い話せなくなり、沈黙が1分ほど続いたところでショーのアナウンスが入り、ちょうど緑川たちが戻ってきて、無事にショーを見て帰ったというわけだ。


「……ふう…」


時間は8時。
あまりゆっくりしてるとあっという間に時間になってしまうな。



***



「…あ、」
「お、おはよう基山くん…」


10時ちょっと前。はやめに出たつもりが、すでに海理はいた。
勇気を出して大きな声で言った海理だがだんだんと声は小さくなってしまい、語尾が掠れていく。


「おはよう。」
「う、うん…」
「立ち話もなんだし、公園いかない?」
「あ、うんっ」


海理は昨日の事があってか、俺の後ろをひょこひょことついてくる。

















「懐かしいね」
「うん、よく遊んだね…」


朝の公園はまだ人が少なかった。
おじいさんが二人と、親子と犬と、俺達。

懐かしいベンチに座ると、海理がリュックからぬいぐるみを取り出した。
昨日買ったものだ。


「昨日は本当にありがとう、どっちもほしくて迷ってたから本当嬉しくて…」
「喜んでくれてすごく嬉しいよ」
「それで、お礼にその…」


ぬいぐるみと入れ替えに出てきたのは、小さめの四角い白い箱が出てきた。まるでケーキが入ってるような箱。


「気合いいれて、その…ケーキ作っちゃった」
「ケーキって、保科…」


ケーキなんて自分一人で作った事はないけど、クリスマスとかで姉さんが作ってるのは見た事あるから大変なのは知ってる。


「俺のためにありがとう、海理」
「いいえいいえ…って、基山くん!?」
「え、あ、」


つい嬉しくて、名前で呼んでしまった。
海理は恥ずかしそうに頬を赤らめ下を向いてしまった。


「……くん」
「…え?」
「ヒ、ヒロトくん、」


耳を澄まさないと聞こえないくらいの小さい声の海理。髪の間からのぞく耳が真っ赤だった。


「海理、」
「ははははい!!!」
「ちゃんと言ってなかったから…その…」
「うん…?」

「俺と付き合ってください、」



(笑顔で頷く君)
(そのあと二人で笑いあった)


End

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