私は


朝一番に起こされた時、リモは興奮と緊張が隠せていない笑顔を携えていた。
なんとも奇妙な物を見てしまった気がした。


「化粧道具、着替え、子でんでん虫、飲み物、食べ物、常備薬、タオル…」


バックを確認すると、中に入ったものが書かれたメモが用意されている。
これを持っていけということだろう。

朝食を食べ、歯を磨く。
化粧をして、着替える。

初めての仕事に緊張してきた。
失敗したらどうなるのだろうか、殺されるのか?
殺されるというのはないと信じたい。
なぜなら海軍の土地に行くのに、海賊だと思われていることはないだろう。
あのリモがそんなリスクをとるはずはない。
不安な気持ちを抱きつつ、船に乗った。
船を見ると、商業用の船を準備していたようで、設備はそこそこ整っている。
海賊船を用意してこなかっただけ、マシである。
ここから、数日は船で移動するらしい。
私一人のためかとリモに確認すれば、流石に他の用事もあるらしい。
何かあったらすぐに駆けつけられるように、医者はこの船と共に常駐させておくとのこと。
リモに連絡が必要な時は緊急時以外は控えるようにとのこと。
不安はやはり拭えなかった。


「よし、そろそろ行こうか。」

「……、はい」



そう声をかけてきたのは、シャワーに入れと言われ、用意された服を着て、部屋から出てきた時だった。

リモが、私の手首を縛る。
目隠しをし、口にはボールギャグを噛まされ、上から布を巻かれる。
最後に首に回された首輪が、さらに私を緊張させる。
昨日の説明で確かにこの説明はあったが、これでは最悪殺されても文句は言えない。
つまり私は、刻印なされない奴隷みたいなものだった。
これは奴隷と思われて、ひどい目にあわされるような、そんな激しい不安を覚えた。


「うん、完璧だよ、マリン。」


満足げな声が上から響いた。



「しばらく苦しいと思うけど、少し我慢してねー」


いつかはこれを改善したいんだけどねー、などと独り言のようにブツブツ言いながら、私はリモに持ち上げられ、かなり大きめの木箱のようなものに入れられた。
ちゃんと布やクッションが用意されているだけマシだが、絶対このままでは足や尻が痺れる。


「よし、移動するね!」


そう言って、ゆさゆさ揺れだした。
持ち運ばれていることはすぐにわかった。
しかし同時に嫌な動きがあった。


「っ!!」


私の体がその感覚を瞬時に捉えた。
確かに説明はあったが、幾ら何でも早すぎる!


ブブブブブッ


「ん、…っ、….!」


体に埋め込まれた、ローターが私の中で振動を始めた。
さっき入れられた時は、少しの違和感だけだった。
これから移動に耐えなければならない。
なのに、船から移動して目的地に着くまでのこの距離で、その動きは刺激を与えてきていた。


「う…っ!んっ、…」


嫌なところに当たっている、このままではまずい。
もう少し体勢を変えてたいところだったが、うまくは動けない。
ああ、もどかしい。
リモが誰かと会話しているのが聞こえるが、詳しい事までは判断できない。
ぼやけた声が外から聞こえてくるが、それに意識を集中させるほど、こちらに余裕があるわけでもない。


「っ、ふ……、ん、っ」


ゆっくりではあるが、静かに足を動かす。
唯一制限を受けていない足を広げ、ゆっくり一番体が安定する姿勢を模索する。
少し足首が痛かった。
しかしその度に、良いところに当たるため、声は漏れるし、口に当てられた布は湿り気を帯びてきた。


「んっ!!!」


急に強い刺激が来た。
誰か、動いた木箱に気がついてしまっていないだろうか!
そしたらこれは問題が発生する可能性がある。
リモにはできるだけ移動は声を出さないように言われた。
バレたらいけないからだろうが、かなりキツイ。


「んっ、…ふ、ーっん!」


声が聞こえたのだろうか。
ローターの動きが治まる、良かった。
今のうちに呼吸を整える。
息が荒い事まで、外に漏れないといいが、油断はできない。
今の動きが目的地に到着するまで何度も訪れてしまったら、どうしたら良いのだろうか。
声は出せない、抜くこともできない、いくこともできない。
このまま、そのスパンダムという男に会ったとして、まともに対応できるのだろうか。


「っ!!!!」


また突然、動き出した。
体がこわばる。


「っ!!っ…!ぁ、っ、!…、ぅ」


体が敏感に反応してしまうことが、この狭い空間でより辛く感じる。
狭い空間に押し込まれてしまえば、快楽は逃げず、逆に上り詰めることもままならない。
目隠しやボールギャグは、いろんな感覚を研ぎ澄ませてしまう。
ゆさゆさと持ち上げられ動くのも、体への刺激になってしまう。
ゆっくり歩いてほしいが、それは叶うことはないだろう。

気が狂いそうになるぐらい、自分の性欲が収まらないこの木箱の中は辛い時間になりそうだった。





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