Act-15 相性
小さな雀と戯れ、野良猫を見つけて何時までも元気でいられるように額にキスをして、出会った鷹の背に乗って遊ぶ。
「ヴィー? 何処まで行ったんだ? そろそろ出かけようと思ったんだが雀と一緒に遠出でもしたのか?」
自分の名前を呼ばれて耳を澄ませば、別荘の近くで車を用意している赤井の姿。
「あ、ごめんね、鷹さん。 秀一に呼ばれてしまったわ。あの別荘の方に飛んでくれる?」
シルヴィアがいえば鷹は承知したといわんばかりに別荘の方へ飛んで行く。
「秀一!」
「ヴィー!? お前なんで鷹と」
鷹と一緒に別荘の窓から戻ってきたのをみて目を丸くする赤井
「ふふっ! ミニチュア化して雀や鷹と遊ぶのも存外悪くないものね。 ―… また会ったら今度は一緒に競争しましょう。 猟師に撃たれないように気を付けて帰るのよ」
大きな羽をもつ鷹は羽を持つ少女に一声、鳴声で返事をすると別荘の上を一回りして森に向って飛び去って行く
「お前―… 雀と一緒じゃなかったのか」
「一緒だったわよ。 でも雀の群の中に鷹が割り込んできたんだもの。 雀さんたちは驚いて逃げてしまうし。鷹さんは驚かしてごめんなさいをしたから 一緒に遊んでたの。さっきまで雀さんたちも一緒だったのよ。」
翼をしまうと赤井にが引き取った子供の姿に戻るシルヴィア。
「鷹は猛禽類だぞ? わかってるのか」
「私達は鷹だろうと犬や猫だろうと、それこそ狼とだって仲良くなれるわよ。何なら鷹の群れを呼んであげましょうか」
「はぁー…」
「どうしたの?」
「いや、便利なのか不便なのか。 普通鷹はあまり人に懐かないと―… 天使は別格か?」
「でもないわよ? 9階級のチビちゃんたちはウサギや犬猫とは仲良くなるのが早いけど鷹とか狼になるとワタワタしちゃう子が多いし。 私は9階級の時から何故か猛禽や猛獣と呼ばれる鷹や虎たちとも相性が良かったの。パートナーのキャリーは鳥類よりも水に棲む生物と相性がとても良かったわ。 サメだろうがイルカだろうがなんでもごされよ。 水族館で即日イルカのトレーナーになれるわね。サメの上にだって乗れるわよ」
「サメ…? 確認の為に聞くが人を襲うサメの事か?」
「そ! いつだったからキャリーと一緒にサメの子供と遊んでて、それを釣りにきた村人に姿を見られた事があったの。 どこかの娘が船遊びの最中にサメに襲われて海に落ちたと勘違いされて大騒ぎ起こしたわ。 私が猟師さんに助けを求めるフリして波を起こしてる間にキャリーが銛で刺されそうになったサメを逃がした事もあるの」
「―… まるで 映画のジョーズだな。」
「ジョーズ?」
「サメとバトルをする人間の映画だ。 俺はあまり好きになれなかったがな」
「サメだって好き好んで人を襲ったりしないわよ。 血に惹かれて集まるという習性は変えられないけど大人しい種類のサメもいるのよ。」
「まぁ、お前も翼を出す時はサメに懐かれないように十分に注意をしろ。」
「どーゆー意味よ」
「鷹や雀には姿を見られてしまうんだろ?」
「あのねぇ。サメは怖いっていう観点が間違ってるの! 見た目は確かに怖いけど、人間だって怖い人相の人っているでしょうが!! キャメル捜査官が良い例よ。見た目はゴツイしミスもするけど人はとてもいいわ。 秀一だって見た目はヤクザと思われる位怖いんだから!」
「顔が怖くて悪かったな」
「今更でしょ? 寝不足のような隈はトレードマークじゃない。 いっつも悪人ばっか追いかけてるから人相が悪くなるのよ」
「かも、な」
「ー… あら、反論しないの?」
「隈が酷いのはジョディに毎日のように言われるが、これは学生時代からだ。 直せるものでもないからな。 かといって女のようにメイクで隠すのは性にあわん」
「そうね。―… でも、私は秀一の怖い顔つきの中にあるやさしさを知っている。野生動物だって生きる為に狩りをするけど優しいし雄ライオンの長い毛の包まれて眠るのは暖かいのよ」
「そうか」
「世の中には科学で割り切れない事が沢山あるわ。 そうでしょう?」
「ちがいないな」
赤井は目の前にいる少女をみて溜息を吐く
「それじゃあ森林浴に行くとするか」
「えぇ!」
シルヴィアは小さなフィギュアサイズになると赤井の肩に飛び乗る
「ちゃんと人のサイズになってくれないか…?」
「嫌。」
「けどな。」
「シートベルト、嫌いなのよ」
「駄目だ。 助手席に座ってないのにいきなり子供に姿が出てきたら回りが驚くだろう」
「えー…」
「それにな、今日は大切な話もあるんだ。 人形のサイズでは面と向かって話ができない」
「! 大切、な話のようね?」
「あぁ。」
「分かったわ。」
シルヴィアは諦め様に子供の姿になった
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