Act-01 逢魔が時
逢魔が時

日が暮れて闇夜が訪れる時間帯

暮れ方の薄暗い時

不吉な事が起こりやすい時刻

一番、交通量の増える時間帯

昼から夜への変わり目、

一番見えにくい時間。 

事故が起きる、可能性も高い。

魑魅魍魎に出会う禍々しい時とされる。

でもそれは一昔前

今のように夜中でも明るければ、昔の人の旅は楽だったはず

夜の帷が幕を降ろす前に安全な宿屋に入ろうと足を速める商人達の姿を、私は忘れない。

魔に魅入られてしまわないように朝晩の祈りを欠かさななかった村人たちを、私は忘れない

こんなに明るい夜空なのに

それなのに





今日は自棄に胸が騒いだ。



「セラフィム様ー… どうか、善き人々をお守り下さい。片翼の私には、彼等を白き門まで導く力がありません―…」

赤井秀一と出会って人の時間でいう半年が過ぎようとしている。
けれど、私達にとっては一眠りの時間にもならない。


もし、この翼が自由に動いたら。

すぐに上の世界に戻って

このざわめきの元を探し出して

救える魂があるなら白の扉に送るのに

傷ついた翼はまだ、治らないー…

けれど、翼が癒えて、元の世界に戻る時、秀一の記憶から私は消える。



治らなくてもいい。



そう思った私には、人の魂を救う天使としての資格は




無い
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