オフ会とチャラ男と君の悩み

!!注意!!
この話はアラヴァン+ソル君の夢小説です。アラヴァンはHOんとうのとMOです。即ち創作ホモの夢小説ということになります。一体何を言ってるのかわからねーと思うが、書いてる本人もどうしてこうなったかわからない……。
ヒロインは3人います。現パロです。

以下、簡単なヒロイン紹介。名前変換はありません。


ゴミ
地方の大学生。就活と実習で忙しい。
かれこれ6年以上インターネットの世界に生息しており、毎日SNSで気の合うインターネットのお友だちと絡んでいる。成人済みの5歳女児。腐っている。寮での人間関係に疲れ、軽く鬱になっている。
クソとは魂がリンクしてる戦う全ての仲間。

クソ
カントー地方に在住するキチツイッタラー。3人の中で一番年下。ゴミとはついったらんどで知り合い、毎日くだらない絡みをしつつ、布教しあっている。6歳児である。実は手芸も得意。腐っている。人間関係に疲れ、軽く鬱になっている。
ゴミとは魂がリンクしている戦う全ての仲間。

カス
ゴミとはかれこれ6年以上の付き合い。個人サイトを運営していた頃からゴミを知っている。布教に大変チョロく、ゴミクソにいつも布教されており、気が付いたら守備範囲があらぬ方向に広がっていた。
腐っていることにも理解と耐性がある。知人との関係に疲れ、軽く鬱になっている。
ゴミに懐いている。



「サバサバ?マドモアゼル」
「どうだい俺たちとお茶でも行かないかい?」

 カントー地方でオフ会していたら、人生初のナンパをされました。どうも、ゴミです。





オフ会とチャラ男と君の悩み





 私の名前はゴミ。一応言っておくが、ゴミは私の本名ではない。ハンドルネームだ。
 そして私はごく普通の女子大生だ。いや、”ごく普通の”ではなく、”ごく普通のオタク”と言ったほうがいいかもしれない。高校生時代からネットの世界に飛び込み、自分で同人サイトも運営している。かれこれ6年くらいだろうか。今ではSNSでインターネットのオタクたちと趣味の話をする毎日。大学生活は疲れることもあるから、こうして趣味の波長の合うインターネットのオタクたちと話す時は楽しい。私の癒しの時間でもある。

 今日はカントー地方で、インターネットでいつもつるんでいるクソとカスとオフ会をするはずだった。
 数日間、ここカントー地方でゴミクソカスの聖地をめぐる、そんなオフ会をする予定だ。オフ会初日の今日、早速聖地巡りに出かけた矢先に私たち廃棄物トリオはチャラそうな男二人に声をかけられた。

 私は今の生活に疲れを感じている。今日はその疲れを忘れ、癒されるためにわざわざ夜行バスに乗ってカントー地方までやって来たのだ。断じてチャラ男たちとお茶をするために来たわけではない。今日は聖地巡礼をするって決めているんだ。もう何か月も前から計画していたことだ。私は今日を本当に楽しみにしていた。チャラ男なんかに私たちの楽しみを奪われたくない。

「俺はヴァン。ねえ、そこの眼鏡をかけた真面目そうなマドモアゼル、今日は肩の力を抜いて、俺たちと一緒に楽しい時間を過ごそうぜ。俺、君みたいな素材のいいマドモアゼルとお茶をしたい」
 ヴァンと名乗ったチャラ男はクソを口説き、ウインクをキメてみせた。
 うっわ、こいつクソほどチャラいな。クソをナンパしているだけあって。
「いやです。私たち、今日は行くところがあるので」
「そんなこと言わないでさ。そこって今日しか行けないのか?」
「行けないこともないですけど、三人で行けるのは今日だけかもしれません。だって、彼女は遠くから遊びに来ているし。今日を逃したらもう三人で行けないかも」

 クソが言っていることは最もだ。そもそも私たちゴミクソカスは今でこそリア友感覚で交流しているが、繋がりのきっかけはインターネットだった。三人とも住んでいる地方が違う。私なんか、夜行バスで十時間以上の時間をかけてここまで来ているのだ。え?新幹線で行けばいい?貧乏大学生をなめてもらっては困る。交通費にお金をかけるくらいなら、こっちに来てから最高の思い出に金をかけたい。

「というわけで、私たちはこれで失礼したいので、他をあたってください」

 クソはスマホを鞄から取り出し、聖地までの地図を表示した。二人のチャラ男は眼中からシャットダウンし、クソの案内で私たちは聖地へ行くことにした。


「へぇ……。あの女たち、俺たちに口説かれても興味を示さないとか、魔法(マジ)面白いやつ」





 聖地にたどり着いた私たちはあまりの感動に語彙力がデリートされてしまった。廃棄物トリオは「やばい」と「魔法(マジ)感動する」以外の言葉を話せなくなった。恐るべし聖地パワー。

 聖地の写真を撮りまくり、ゴミクソカスの大好きな番組ごっこをしたり。私たち廃棄物トリオは聖地で幼児退行してしまった。これも全て聖地ってやつの仕業なんだ。

 嗚呼、やばい。感動して涙が出てきたかも。


「サバサバ、マドモアゼル」
「どうだい。この後俺たちとランチにでも行かないかい?」

 私たちが聖地で五歳女児を極めていると、つい先ほど聞いた声が聞こえてきた。いや、まさか。

 振り向くと、そこには先ほどのチャラ男二人と大人しそうな男が一人。新規君はどう見てもあのチャラ男たちと釣り合わない性格をしていそうだが、こんなところにいるということは、チャラ男たちの一員なのだろう。

「ウソダドンドコドーン」
 あまりのショックに私とクソは滑舌の悪い驚きの声をあげた。

「こうして君たちとまた会えるなんて、幸せだなぁ。ちゅーか、魔法(マジ)で奇跡じゃね?!」
 こんなのが奇跡であってたまるか。せっかく超イイネスペシャルサイコー!!な気分で聖地に浸っていたのに、これじゃあ台無しじゃないか。

「あなたたち、絶対許さない」
「君、怒った顔も可愛いよ。さっきは自己紹介できなかったけど、俺はアランだ。よろしく」
 
 ―――チュッ。

 ……ん?今、何が起こった?

「?!?!」

 数秒経って、私はようやくアランと名乗るチャラ男に手の甲にキスをされたことを認識した。

「きっっっっっっも」
 なんだこのチャラ男は。ほぼ初対面の女性によくもまあキスできるもんだ。
「ていうか、もしかしなくてもあなたたち、ストーカーしました?」

 クソがチャラ男たちに尋ねた。確かに、あの後尾行されていた可能性も考えられる。けっこうやばい状況なんじゃないかな……。

「ノンノンノン!俺たちは別に君たちを尾行していたわけじゃない。つか、聖地巡礼にきたんだよ!これほんとだから」
「で、弟子のソルに出会ったから一緒に連れてきたわけ」
 私たち廃棄物トリオがやってきたこの聖地は、確かに私のような五歳女児も見る番組だけど、本来のターゲットは男児だ。むしろ私たちがここに巡礼するよりも自然かもしれない。

「え……。じゃあ、もしかしてあなたたちも趣味が同じってことですか?」
 カスがチャラ男たちに聞く。

「そうなるな」
「へー、そうなんだ!うっわー、こうして語れる人に会えるなんて、嬉しいです」
 同士を見つけた私はクソのようにテンションが上がっていった。地元じゃなかなか話の合う人がいないからね。

「ねえ、このチャラ男たちとご飯行くのもありじゃない?奢ってもらおうよ」
 クソがクソみたいなことを提案した。クソだけに。
「それ、いいかも」
 クソの提案にノリノリな私もゴミのような人間なのだろう。ゴミだけに。
「ええ?奢ってもらうのは悪い気が……」
「そんなことないよ。だって私たちはご飯を奢ってもらえて嬉しい。チャラ男たちは女の子と話せて嬉しい。それに、趣味の話は楽しい。いいことづくしじゃん」
「そ、そうなのかな……」
 戸惑うカスもクソに言いくるめられ、結局は納得した。流石カス。やっぱりカスはチョロい。

「いいですよ。一緒にご飯に行きましょう。私たち、コラボカフェで昼食をとる予定だったんですけど、奢ってくださるならナンパされます」
「魔法(マジ)で?!」

 やったね!!これで今日の昼食代が浮く!!超イイネスペシャルサイコー(クソオブクソ)!!





 コラボカフェでも廃棄物トリオの語彙力がデリートされた。というか、チャラ男たちの語彙力も廃棄物トリオレベルにデリートされていたと思う。
 料理はおいしいし、チャラ男たちも魔法(マジ)な方向で私たちのジャンルが好きみたいで、お互いにどのシリーズが好きか、好きなキャラは誰か、果てには泣いたシーンなどなど、話題はつきなかった。

「ただのチャラ男だと思っていたけど、話してみると楽しいね」
 クソが言う。
「それに、なんだかあの二人、距離近いよね」
「それ思った!もっとくっついてくれないかなぁ」
 ゴミクソは廃棄物なだけあって腐っている。チャラ男たちと話していて、アランさんとヴァンさんの距離が近いことにも悶えた。とてもよろしい光景だ。

「そういえば、ゴミちゃんとカスちゃんはカントー地方の人じゃないんだよね」
 ふいに、ソル君がたずねてきた。私とカスはソル君の問いに頷いた。
「じゃあ、元々カントー地方に住んでいるのはクソちゃんだけなんだ」
「そういうことになりますね」
「三人とも住んでいる場所が全然違うみたいだけど、すごく仲がいいんだね」
 ソル君にそう言われるとかなり嬉しい。クソとはSNSで出会って数年だからまだ出会ってそんなに経っていないんだけど、クソとは波長が合うから話していて楽しいし、寮での嫌なことも忘れられる。
 カスとは私がインターネットでのROM専を卒業し、自分から二次創作をネットの世界に発表した頃からの付き合いだから、結構長い付き合いになる。なんたって、出会ったことのカスはまだ中学生だったのだ。それが今じゃ、お互いに大学生。時の流れには手も足も出ない。

「それにしても、今ってすげーよな。インターネットで気軽に友達が作れるんだし」
「だよな。近くに住んでいなくても、同じ趣味の話だって簡単にできる」
 まったくもってその通りだ。インターネットがなければ私は一生廃棄物トリオの二人に会うことはなった。今は世界中の人と簡単に交流できる時代。その分、危険なことも嫌なこともあるから、十分気を付けないといけないんだけど。

「お、ヴァン。お前、ほっぺにクリームがついているぞ」
「どこだ?!」
 ヴァンさんは一生懸命にクリームを取ろうとしているのだけど、中々取れないようだ。確か、化粧ポーチに鏡を入れていたはずだから、貸してあげよう。

 けど、私が鏡を取り出す前にアランさんがヴァンさんの頬に触れ、クリームを拭った。
 ちょっと、これはどういうことなの。

「ほら、取れたぞ」
「サンキューな、アラン」
 こういうことは二人にとって日常茶飯事なのカスごく自然に見えた。心なしか、ヴァンさんの顔がフレイムスタイルの色になっている気がするのは私の気のせいなのだろうか。後でクソにも聞いてみよう。
 アランさんとヴァンさんって、どのくらいの付き合いなのかな。いつも二人でいるのかな。気になるなぁ。

「そういえば、三人は学生なのか?」
 ヴァンさんの問いに頷く私たち。
「へー、何やってんだ」
「うーん、医療系とだけ」
「そっか!なんか難しそうなよな。すっげーよな、俺、人の役に立つ最高の仕事だと思ってるぜ」
「勉強は大変ですね。今度テストがあるんですけど、いつも動脈がAだったかな、静脈がAだったかなって迷うんです」
 私も医療系の大学に通っているのでクソの大変さはよく分かる。解剖生理って、全ての基本になる科目だけど、いかんせん量が多くて覚えきれないんだよね。でも、解剖生理ができないと他の専門科目もわけわかめだし。

「動脈がAで静脈がVだったよな。つまり、動脈が俺で静脈がヴァンって覚えたら忘れないと思うぞ!」
「うっわー、なんて実用性のない覚え方……」
「そうだ。静脈ってよく青色で表記されているだろ?青ってアランのイメージカラーなんだけどな、俺がアランのイメージカラーに染められているって覚えたらもう忘れられないと思うぜ」
 凄い、これはある意味強烈すぎて忘れることが難しい。けど、それってつまり、私たちの血液には常にアランさんとヴァンさんが流れているってことだよね。なんだか複雑だなぁ。

「なあ、ゴミちゃんは?何専攻?ちなみに俺は物理」
 アランさんは私のことが気に入ったのか、よく私に話しかけてくれる。こんな私のどこがいいんだろう。私なんて、話すのが疲れるからって寮では極力無言をキメてるのに。
「私も医療系とだけ……」
「へぇ、俺物理専攻だけど、高校は理科が得意だったから生物もそれなりにいけるぜ」
「あ、私も理科が得意だったんですよ。あとは英語かな」
 高校時代は生物と英語が得意だった。数学だけはどうしても苦手だったなぁ。
「ゴミちゃんってさ、遠くの地方に住んでんだろ?カントー地方に来るの、大変じゃね?」
「まあ時間はかかりますけど……。クソとカスに会えるのは嬉しいですし、二人とも気が合うし一緒にいて疲れないから」
「ゴミちゃん、なんか苦労してそうだもんな」
「寮にいるとなんだか疲れちゃって」
 私は一体全体、会ったばかりの人にどうしてこんな個人的状況を話しているのだろう。
 話してみて分かったのが、アランさんは意外と聞き上手だということ。だからこそ、ついつい自分のことを話してしまうのだろう。

「色んな人がいるもんなぁ……」
「そう、友だちといるのは楽しいんですけど、どうも部屋の子と相性が悪いみたいでどうしても疲れちゃう」
「それは辛いな」
「辛いですね」

 話したところで私の状況が良くなるわけではないが、こうして共感してもらえるのは嬉しい。少しだけ心が穏やかになれる気がする。

「あ、そろそろ時間だ」
 このカフェは時間制限がある。そろそろ制限がくるはずだ。
「最初はなんだこのチャラ男って思いましたけど、今日は楽しかったです」
「ああ、俺たちも素敵なマドモアゼル三人とランチできて魔法(マジ)楽しかった!」
 席を立ち、会計を済ませ、外に出る。
 彼らとはこれでお別れだ。

「あ、そうだ」

 アランさんとヴァンさんがポケットから何かを取り出した。

「これ、今日の奇跡的な出会いを記念して」
 アランさんは私に青い指輪をくれた。ヴァンさんはクソに緑の指輪を手渡していた。
「これを見て今日のことを思い出してほしいんだぜ。辛いとき、今日の楽しい思い出を思い出せば力になるだろう?」
 そう言って、アランさんは私の指に青い指輪をはめた。

「俺たちがお前たちの最後の希望だ!」

 口を揃えてそう言うアランさんとヴァンさん。息はピッタリだ。やっぱこの二人、ただならぬ関係でしょ。

「じゃあ、僕からはこれをあげる」
「アロマオイル……?」
「なんか、君も色々苦労してるでしょ?疲れている時にリラックスしてもらえたらな、って思って」
 ソル君に手のひらサイズのアロマをプレゼントされたカス。驚きで顔が固まっている。
「そんなに驚かなくても……、ほら、笑って笑って!」
 カスに太陽のような笑顔を見せるソル君。ソル君はやっぱりチャラ男二人と違って指輪なんてチャラチャラしたものは渡さず、思いのこもった素敵な贈り物をしてくれる殿方だ。
 表情の固まっていたカスだったが、少ししてとびきりの笑顔を見せた。

「うん、やっぱり君は笑っていた方がいいよ」
「そ、そうかな……」

 カスも今大変な状況だから、きっと色々な思いを抱えているのだろう。
 私たち廃棄物トリオは、今まさに心に闇を抱えている。ある意味今回のオフ会はそんな病んでいる廃棄物トリオの病み病み会でもあった。まぁ、ゴミクソが集まればやばい化学反応が起きてテンションがハイになるし、それにつられてカスもハイになるんだけどね。

「それじゃあ、あまり無理せずに過ごしてな」

 チャラ男たちは去り際に投げキッスをしてきた。うっわ、チャラっ。

「お昼も食べたし、カラオケにでも行こうか!」
「そうだね、いっぱい歌おう」
「五歳女児のカラオケ大会だね」

 なんだか、少しだけ元気が出た気がする。ふと、手のひらを太陽にかざしてみると、アランさんからもらった指輪がキラリ、と光った。


 それは、不思議と、希望の光のように思えた。


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後書き
気が狂ってアラヴァン夢小説なる謎のSSを書き上げてしまいました。創作ホモの夢小説だなんて、誰得なんですかね。ていうか私はなんでアラヴァン夢小説を書こうとしたんですかね。気が狂っている……。
あ、タイトルはゴミクソカスが共通して好きなオーズのサブタイトル形式にしました。ゴミがどこの地方に住んでいるかも書いておきたかったのですが、悲しいことに未だゴミが在住する地方がポケモンにないんですよね。隣にホウエン地方があるんだから、ED後にホウエンへ行けるとか、そういうシステムだって作れますし、早く作ってくれないかなぁ。

廃棄物トリオのみんな〜〜〜〜、アラヴァン夢小説で健康で文化的な最低限度を手にいれような!!!!

Honey au Lait