気障な沖矢昴

【2017/11月拍手】

11/3は何の日?

「『シンギュラリティ』って、ご存知ですか?」

本日わたしは沖矢さんのお宅(正確には沖矢さんが借りている工藤邸)にお邪魔している。
理由はこの広大な工藤邸を1人で掃除するという沖矢さんをお手伝いするため。

工藤邸は中々に大きなお屋敷だった筈…あれを1人で掃除するのは大変だろうな、と私は不肖ながらも助太刀を申し出てーー現在に至る、と言う訳である。

まぁ、沖矢さんと二人っきりになれるチャンス!…と、思ったり思わなかったり。

理由は何であれ鼻歌でも歌い出しそうな気持ちで庭先を掃いていると、不意に隣で集めた枯れ葉をゴミ袋に詰めていた沖矢さんが話始め、冒頭となる。


「シンギュラリティ?何です?」

「日本語だと『特異日』。偶然を超える確率で特定の気象が起きる日のことです」

「へぇ〜!初めて知りました!」

「年間を通して『雨の特異日』『猛暑の特異日』、『台風襲来の特異日』なんていうのもあるんですよ」

『襲来だなんてまるで怪獣みたい!』と先日、コナン君達が言っていたのを思い出したので…と、笑みを浮かべて話す沖矢さん。

こうやって日々の何気無い話を優しく微笑って聞かせてくれる彼の気遣いがいつも私の心をほっこりさせる。


「…台風や怪獣襲来は困りますけど、外出の予定を立てる時に覚えておくと役に立ちそうですね」

「そうですね。…ちなみに、実は今日もその特異日なんですよ?」

「え?」

「さて、何の特異日か分かりますか?」


正解したら本日手伝って頂いたお礼も兼ねて、先日貴女が行きたいと言っていたランチに行きましょう。

勿論、一緒に。
と、悪戯っ子のような口振りでその眼鏡の奥からチラリと見えた緑の瞳。ドクリと心臓が跳ねる。みるみる赤くなってゆく顔を隠すように私は空を見上げた。

どこまでも広がる青空。

「………晴れ、ですか?」

「『晴れの特異日』、正解です」

では、お手をどうぞ?My rady.


11/3は晴れの特異日