【0】箒星になれたなら
「遊、見てみィ」
「わァ…」
見上げた空には尾を引く箒星が流れていた。
これが見せたかったんやとニヤリと歯を見せて笑うあなたが大好きだった。
100年前のあの日、あなたは私を置いて
キエタ。
「知ってるかー?"箒星は不吉をもたらす"っちゅー言い伝えがあるらしいで。」
「え…不吉を…?」
「まァ、ただの迷信やろぅけどな。」
そうだったらよかったのに。
そうだったら、今も一緒にいれたのに。
箒星はあなたを連れていった。
箒星になれたなら、
あなたの元にこの想いを届けられるのかな。
箒星になれたなら、
あなたの元にいけるのかな。
―この空を飛んでいきたいとおもった。
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