【25】誰かの背中を



みんながいる。
それだけでとても心強い。
みんなの霊圧が鋭く痛いけど、私には温かく感じる。
100年この霊圧を感じることは出来なかった。もう二度とこんな日は来ないと思った。
何度も何度も…死のうと思った。

けど、生きててよかった。


「泣いて…いるのかい…?」
「浮竹隊長…!!」
「すまないな…風雅…」
「いえ!今治療していますので、しばしご辛抱ください。」


泣いていることに気づかなかった。
気づいたところでこの涙は止まってはくれなくて、やっと会えたんだなと浮竹隊長が涙を拭って下さった。


「す、すみません…っ…」
「いや、いいんだ…。君の事はみんなが知っているから…。」
「…はいっ…」
「やはり彼も部下が心配だったみたいだね。」


100年前、その背中を毎日見てきた。
私の憧れでもあった。夢の中で何度も謝った。どうしてあの夜もあなたについて行かなかったのかと…。
あなたは背中を預けてくれたというのに…


「鳳隊長…」

「何するんだよ、ラヴ!!」
「その話はもう終わったんだよ!遊の前だからってカッコつけて、つまんねーこと喋ってねぇで目の前に集中しろ。」


そう、お互いに背中は預けたんだ。
今なら浮竹隊長の治療に専念できる。


でも、戦場の音は聞こえてくるもので…
鳳隊長も羅武さんも追い詰められているみたいで、心なしか焦りのせいで私の心拍数も上がっていく。


「やれやれ…ボクの遊ちゃんを不安にされると困るんだよねぇ。」
「京楽隊長…」
「ちょっと"遊んでくるよ"。遊ちゃんは浮竹を頼んだよ。」


隊長は本当にかっこいい。いつも暗闇にいる私に光を与えてくれる。


―いつも見ているだけしかできない。

prev next
back