◆ すみれの色は何色か
なまえは解り易くびくりと体を揺らした後、目を泳がせる。
返答に詰まるのは、なまえが嘘を吐くのが頗る苦手だからだ。
それを静かに見つめる太宰から、表情は消えていた。
「えっと…落とした、みたい。」
目を合わせようとしないなまえから視線を外すと、窓からは校庭が見えた。
部活動に励む生徒たち、その生徒たちの声が遠くの方で聞こえている。
「…なまえに嘘は、似合わないよ。」
呟くような太宰の言葉は、なまえに届くことはなく、放課後の空気に溶けていった。
2019.04.23*ruka
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*confeito*